衛生管理者とは:資格の中身・必要な会社・取り方を最初に整理

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「衛生管理者を取って」と会社に言われたものの、そもそも何の資格なのか分からない。そんな人向けに、最初に押さえるべきことを1ページにまとめました。衛生管理者とは、職場の働く人の健康を守るために、一定規模以上の会社が必ず置かなければならない国家資格者です。

衛生管理者とは:労働安全衛生法上の位置づけ

結論

衛生管理者は労働安全衛生法に基づく都道府県労働局長の免許。常時5⁠0⁠人⁠以⁠上の労働者を使う事業場は、選任すべき事由が出てから1⁠4⁠日以内に選ばなければなりません。取り方は「受験資格の確認 → 試験 → 合格後に免許申請」。第⁠一⁠種は全業種、第⁠二⁠種は一部の業種で通用します。

労働安全衛生法12条は、政令で定める規模の事業場ごとに、事業者が「都道府県労働局長の免許を受けた者その他厚生労働省令で定める資格を有する者」から衛生管理者を選任し、衛生に係る技術的事項を管理させるよう定めています。政令(⁠安⁠衛⁠法⁠施⁠行⁠令⁠4⁠条⁠)が定める規模は常時5⁠0⁠人⁠以⁠上です。

つまり衛生管理者は、本人が「⁠名⁠乗⁠る⁠」資格ではなく、会社(⁠事⁠業⁠者⁠)に選任義務がある資格です。会社から取得を求められるのはこのためで、選任しないと安衛法120条1号で50万円以下の罰金の対象になります(具体的な適用は労働基準監督署・専門家に確認してください)。

衛生管理者の目的は、労働者の健康障害を防ぐことです。安全衛生技術試験協会の紹介では、主な職務を作業環境管理・作業管理・健康管理、労働衛生教育の実施、健康の保持増進措置などとしています。法令上は少なくとも毎週1回、作業場等を巡視することも求められています(⁠安⁠衛⁠則⁠1⁠1⁠条⁠)。

なお、医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントなどは、免許がなくても衛生管理者に選任できる資格者です(⁠安⁠衛⁠則⁠1⁠0⁠条⁠)。

第⁠一⁠種衛生管理者とは・第⁠二⁠種衛生管理者とは

種類衛生管理者になれる事業場
第⁠一⁠種すべての業種
第⁠二⁠種有害業務と関連の少ない情報通信業・金融・保険業・卸売・小売業など一定の業種のみ

第⁠一⁠種でないと選任できない業種は、安衛則7条1項3号イに並んでいます:農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(⁠物⁠の⁠加⁠工⁠業⁠を⁠含⁠む⁠)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業。試験も第⁠一⁠種のほうが範囲が広く、第⁠一⁠種は4⁠4⁠問(有害業務の関係法令・労働衛生を含む)、第⁠二⁠種は3⁠0⁠問です。詳しい違いと選び方は第一種と第二種どっちを受ける?にま⁠と⁠め⁠ています。

どんな会社に衛生管理者が必要か

判断の単位は会社全体ではなく事業場(⁠支⁠店⁠・⁠工⁠場⁠な⁠ど⁠)ごとです。人数に応じて必要な人数が増えます(⁠安⁠衛⁠則⁠7⁠条⁠1⁠項⁠4⁠号⁠)。

常時使用する労働者数衛生管理者の数
5⁠0⁠人⁠以⁠上2⁠0⁠0⁠人⁠以⁠下1⁠人⁠以⁠上
2⁠0⁠0⁠人を超え5⁠0⁠0⁠人⁠以⁠下2⁠人⁠以⁠上
5⁠0⁠0⁠人を超え1⁠,⁠0⁠0⁠0⁠人⁠以⁠下3⁠人⁠以⁠上
1⁠,⁠0⁠0⁠0⁠人を超え2⁠,⁠0⁠0⁠0⁠人⁠以⁠下4⁠人⁠以⁠上
2⁠,⁠0⁠0⁠0⁠人を超え3⁠,⁠0⁠0⁠0⁠人⁠以⁠下5⁠人⁠以⁠上
3⁠,⁠0⁠0⁠0⁠人を超える場合6⁠人⁠以⁠上

専任・専属の要件や、選任後の報告などの実務は衛生管理者は何人から必要?で解説しています。

5⁠0⁠人⁠未⁠満の事業場は?

常時1⁠0⁠人⁠以⁠上5⁠0⁠人⁠未⁠満の事業場では、衛生管理者ではなく安全衛生推進者(業種によっては衛生推進者)を選任します(安衛法12条の2・安衛則12条の2)。こちらは免許ではなく、衛生管理者試験の対象でもありません。「いまは5⁠0⁠人⁠未⁠満だが、採用が進んで5⁠0⁠人に届きそう」という会社では、届いた日から1⁠4⁠日以内に免許を持つ人を選任する必要があるため、早めに社員に受験させるのが一般的な段取りです。人数の数え方(パート・派遣を含めるかなど)は労働基準監督署に確認してください。

衛生管理者を取るまでの流れ

  1. 受験資格を確認する:大学・短大・高専卒なら卒業後1⁠年⁠以⁠上、高校卒なら3⁠年⁠以⁠上、学歴を問わなければ1⁠0⁠年⁠以⁠上の「⁠労⁠働⁠衛⁠生⁠の⁠実⁠務⁠」の経験が主なルート。会社に事業者証明書を書いてもらいます。
  2. 受験を申し込む:全国の安全衛生技術センターなどでほぼ毎月実施。申込は試験日の2⁠か⁠月前から、手数料は8⁠,⁠8⁠0⁠0⁠円。第⁠一⁠種⁠・⁠第⁠二⁠種はオンラインで書類のアップロードまで完結できます。
  3. 試験を受ける:五肢択一のマークシート。第⁠一⁠種4⁠4⁠問・第⁠二⁠種3⁠0⁠問を3⁠時⁠間で解き、科目ごとに4⁠0⁠%⁠以⁠上・合計6⁠0⁠%⁠以⁠上で合格。
  4. 免許を申請する:免許試験合格通知書が届いたら、収入印紙1⁠,⁠5⁠0⁠0⁠円分を貼った免許申請書を東京労働局免許証発行センターへ。マイナポータルからも申請できます。

受験資格の細かい区分は受験資格の記事、申し込みの締切は試験日と申し込み方法、合格後の免許申請は合格した後の手続きを参照してください。保健師・薬剤師など、試験なしで免許を受けられる人もいます(試験免除・科目免除)。

このサイトの記事の読み方

当サイトは、試験でひっかけになりやすい論点を○×ドリルで確認できる学習サービスです。本番は五肢択一なので、ドリルは知識の確認用、仕上げは公表試験問題([協会サイト])で形式に慣れるのがおすすめです。

出⁠典:公益財団法人安全衛生技術試験協会「第⁠一⁠種⁠・⁠第⁠二⁠種衛生管理者」「⁠試⁠験⁠の⁠日⁠程⁠」「⁠試⁠験⁠手⁠数⁠料⁠」「⁠統⁠計⁠」(2⁠0⁠2⁠6⁠年10月2⁠3⁠日確認)。試験の最新情報は同協会の公式サイトで確認してください。 選任・資格は労働安全衛生法12条・同法施行令4条・安衛則7条・10条・11条([e-Gov][e-Gov])、免許申請は厚生労働省「免許申請書等手続きの手引き」([厚生労働省])による(2⁠0⁠2⁠6⁠年10月2⁠3⁠日確認)。

本番形式の問題で確かめる

この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。

第1問 / 3関係法令

産業医の選任に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。

第2問 / 3労働衛生

「職場における熱中症防止のためのガイドライン」(⁠令⁠和⁠8⁠年⁠3⁠月⁠)に示された熱中症リスクの評価に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

第3問 / 3労働生理

血液の成分に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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よくある質問

衛生管理者は国家資格ですか?

国家資格です。労働安全衛生法12条で、事業者は都道府県労働局長の免許を受けた者などから衛生管理者を選任すると定められています。試験は国の指定試験機関である公益財団法人安全衛生技術試験協会が実施し、合格後に労働局へ免許を申請して免許証が交付されます。

衛生管理者を置く目的は何ですか?

労働者の健康障害を防ぐためです。安全衛生技術試験協会の紹介では、主な職務を作業環境管理・作業管理・健康管理、労働衛生教育の実施、健康の保持増進措置などとしています。法律上は、事業者の安全衛生業務のうち「衛生に係る技術的事項」を管理する役割です(⁠安⁠衛⁠法⁠1⁠2⁠条⁠)。

第⁠一⁠種と第⁠二⁠種、どちらを取ればいいですか?

第⁠一⁠種はすべての業種で、第⁠二⁠種は情報通信業・金融・保険業・卸売・小売業など有害業務と関連の少ない一定の業種でだけ衛生管理者になれます。製造業・建設業・運送業・医療業などは第⁠一⁠種が必要です(⁠安⁠衛⁠則⁠7⁠条⁠1⁠項⁠3⁠号⁠)。迷ったら会社の業種で判断します。

試験に受かればすぐ衛生管理者になれますか?

合格しただけでは免許証は交付されません。免許試験合格通知書を添えて東京労働局免許証発行センターへ免許申請をし、免許証を受け取ってから選任されるのが基本です。

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出典

数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。

このサイトは公益財団法人安全衛生技術試験協会とは関係のない学習用サービスです。法令の解釈や会社での運用は、所轄の労働基準監督署や専門家(社会保険労務士など)に確認してください。編集方針