衛生管理者は何人から必要?選任の人数・専任・報告の期限

更新日:

従業員が増えてきた会社の人事・総務担当者向けに、衛生管理者の選任ルールを条文に沿って整理します。結論から言うと、常時5⁠0⁠人⁠以⁠上の労働者を使用する事業場では衛生管理者の選任が必要で、期限は選任すべき事由が発生した日から1⁠4⁠日以内です。衛生管理者は免許が必要なので、社内に有資格者がいなければ、受験から逆算した準備が欠かせません。

規模別の必要人数

結論

常時5⁠0⁠人⁠以⁠上で1⁠人、以降は規模に応じて最大6⁠人。1⁠4⁠日以内に選任し、遅滞なく所轄労働基準監督署長に報告します。製造業・建設業・運送業・医療業などは第⁠一⁠種(⁠ま⁠た⁠は⁠衛⁠生⁠工⁠学⁠)の免許が必要です。同じ5⁠0⁠人の基準で、産業医の選任と衛生委員会の設置も必要になります。

労働安全衛生規則第⁠7⁠条⁠第⁠1⁠項⁠第⁠4⁠号
常時使用する労働者数衛生管理者の数
5⁠0⁠人⁠以⁠上2⁠0⁠0⁠人⁠以⁠下1⁠人⁠以⁠上
2⁠0⁠0⁠人を超え5⁠0⁠0⁠人⁠以⁠下2⁠人⁠以⁠上
5⁠0⁠0⁠人を超え1⁠,⁠0⁠0⁠0⁠人⁠以⁠下3⁠人⁠以⁠上
1⁠,⁠0⁠0⁠0⁠人を超え2⁠,⁠0⁠0⁠0⁠人⁠以⁠下4⁠人⁠以⁠上
2⁠,⁠0⁠0⁠0⁠人を超え3⁠,⁠0⁠0⁠0⁠人⁠以⁠下5⁠人⁠以⁠上
3⁠,⁠0⁠0⁠0⁠人を超える場合6⁠人⁠以⁠上
人数は会社全体ではなく事業場ごとに数えます(労働安全衛生法第⁠1⁠2⁠条「⁠事⁠業⁠場⁠ご⁠と⁠に⁠」)。パート・アルバイトの扱いなど「常時使用する労働者」の数え方は、所轄の労働基準監督署に確認してください。

選任のルール

労働安全衛生規則第⁠7⁠条⁠第⁠1⁠項
項目内容
第1号 期限選任すべき事由が発生した日から1⁠4⁠日以内に選任
第2号 専属その事業場に専属の者を選任。ただし2⁠人⁠以⁠上選任する場合で、その中に労働衛生コンサルタントがいるときは、そのうち1⁠人は専属でなくてよい
第3号 業種と免許農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(⁠物⁠の⁠加⁠工⁠業⁠を⁠含⁠む⁠)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業は第⁠一⁠種・衛生工学衛生管理者免許など。その他の業種は第⁠二⁠種も可
第4号 人数上の規模別の表の⁠と⁠お⁠り
第5号 専任常時1⁠,⁠0⁠0⁠0⁠人を超える事業場、または常時5⁠0⁠0⁠人を超え、坑内労働や労働基準法施行規則第⁠1⁠8⁠条の業務に常時3⁠0⁠人⁠以⁠上従事させる事業場では、少なくとも1⁠人を専任に
第6号 衛生工学常時5⁠0⁠0⁠人を超え、坑内労働や同規則第⁠1⁠8⁠条の一定の業務に常時3⁠0⁠人⁠以⁠上従事させる事業場では、1⁠人を衛生工学衛生管理者免許を受けた者から選任

免許のほか、医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントなども衛生管理者の資格を有する者とされています(⁠同⁠規⁠則⁠第⁠⁠⁠1⁠⁠⁠0⁠⁠⁠条⁠)。第⁠二⁠種の免許で選任できるのは、情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業などの「⁠そ⁠の⁠他⁠の⁠業⁠種⁠」の事業場だけです(第一種と第二種の違い)。

選任した後にやること

罰則:衛生管理者の選任義務(労働安全衛生法第⁠1⁠2⁠条⁠第⁠1⁠項)に違反した場合、同法第⁠1⁠2⁠0⁠条⁠第⁠1⁠号により50万円以下の罰金。個別の判断は、社会保険労務士などの専門家や所轄の労働基準監督署に確認してください。

社内で有資格者を育てるときの段取り

衛生管理者の試験には、学歴に応じた年数の「⁠労⁠働⁠衛⁠生⁠の⁠実⁠務⁠」の経験が必要です(受験資格と事業者証明書)。事業者証明書は会社が作成するので、受験者に任せきりにせず、人事・総務で準備を手伝うとスムーズです。試験は全国のセンターでほぼ毎月実施され、申し込みは試験日の2⁠か⁠月前から受け付けています(試験日と申し込み方法)。

合格率は令和7⁠年度で第⁠一⁠種4⁠6⁠.⁠8⁠%・第⁠二⁠種4⁠8⁠.⁠7⁠%と、受験者の半数前後が不合格になる試験です(合格率と難易度)。1⁠4⁠日以内という期限に間に合わせるには、 1回で受かる前提ではなく、再受験の可能性も含めて余裕を持った計画を立てることをおすすめします。

複数の社員分をま⁠と⁠め⁠て用意したい場合は、法人・団体向けのまとめ購入も用意しています(法人・団体でまとめて購入)。

出⁠典:公益財団法人安全衛生技術試験協会「第⁠一⁠種⁠・⁠第⁠二⁠種衛生管理者」「⁠試⁠験⁠の⁠日⁠程⁠」「⁠試⁠験⁠手⁠数⁠料⁠」「⁠統⁠計⁠」(2⁠0⁠2⁠6⁠年10月2⁠3⁠日確認)。試験の最新情報は同協会の公式サイトで確認してください。 選任のルールはe-Gov法令検索の現行条文(労働安全衛生法 [e-Gov]、同施行令 [e-Gov]、労働安全衛生規則 [e-Gov]。2⁠0⁠2⁠6⁠年10月2⁠3⁠日確認)。

本番形式の問題で確かめる

この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。

第1問 / 3関係法令

総括安全衛生管理者、衛生管理者及び産業医に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。

第2問 / 3労働衛生

中央管理方式の空気調和設備を設けている建築物の事務室の測定に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。

第3問 / 3労働生理

心臓の構造と働きに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

関連する分野を練習する

よくある質問

従業員が5⁠0⁠人になったら、すぐに衛生管理者が必要ですか?

常時5⁠0⁠人⁠以⁠上の労働者を使用する事業場になったら、選任すべき事由が発生した日から1⁠4⁠日以内に選任します(労働安全衛生法施行令第⁠4⁠条、労働安全衛生規則第⁠7⁠条⁠第⁠1⁠項⁠第⁠1⁠号)。有資格者が社内にいない場合は、受験の準備期間も考えて早めに動く必要があります。どの時点で「⁠常⁠時⁠5⁠0⁠人⁠以⁠上⁠」になるかの判断は、所轄の労働基準監督署に確認してください。

期限までに有資格者を用意できない場合は?

労働安全衛生規則第⁠8⁠条で、選任することができないやむを得ない事由がある場合に、所轄都道府県労働局長の許可を受けたときは、第⁠7⁠条⁠第⁠1⁠項の規定によらないことができるとされています。該当するかどうかは、所轄の労働基準監督署・労働局に相談してください。

選任しなかった場合の罰則はありますか?

労働安全衛生法第⁠1⁠2⁠0⁠条⁠第⁠1⁠号で、第⁠1⁠2⁠条⁠第⁠1⁠項(⁠衛⁠生⁠管⁠理⁠者⁠の⁠選⁠任⁠)に違反した場合は50万円以下の罰金と定められています。具体的な扱いは専門家(⁠社⁠会⁠保⁠険⁠労⁠務⁠士⁠な⁠ど⁠)や労働基準監督署に確認してください。

選任報告はどうやって出しますか?

労働安全衛生規則第⁠7⁠条⁠第⁠3⁠項で、選任したときは遅滞なく、電子情報処理組織(⁠電⁠子⁠申⁠請⁠)を使用して所轄労働基準監督署長に報告することとされています。改正の経過措置(令和6⁠年厚生労働省令第45号附則第⁠2⁠条)で、当分の間は従前の例(⁠書⁠面⁠の⁠様⁠式⁠)によることもできます。

関連する記事

出典

数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。

このサイトは公益財団法人安全衛生技術試験協会とは関係のない学習用サービスです。法令の解釈や会社での運用は、所轄の労働基準監督署や専門家(社会保険労務士など)に確認してください。編集方針