総括安全衛生管理者に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
衛生管理者の試験免除・科目免除:保健師・薬剤師は申請だけで第一種
「保健師や薬剤師なら、試験なしで衛生管理者になれると聞いた」——その通りです。ただし自動的に資格が付くわけではなく、労働局への免許申請が必要です。試験そのものが免除される人と、試験の一部(労働生理)が免除される人を分けて整理します。
試験なしで第一種衛生管理者免許を受けられる人
結論
保健師・薬剤師、医学系の課程の卒業者などは試験なしで第一種衛生管理者免許を申請できます。申請先は住所地を管轄する都道府県労働局。試験の一部免除は「労働生理」だけで、対象は船員法の衛生管理者適任証書を持つ人と、第二種の免許を持つ人(特例第一種)です。
免許を受けることができる者は、安衛則62条と別表第4で決められています。第一種衛生管理者免許は次のとおりです。
- 第一種衛生管理者免許試験に合格した者
- 大学又は高等専門学校で、医学に関する課程を修めて卒業した者
- 大学で保健衛生に関する学科を専攻して卒業し、労働衛生に関する講座又は学科目を修めた者
- その他厚生労働大臣が定める者
4の具体例として、愛知労働局の資料は「第一種衛生管理者を無試験で取得できる者」に保健師・薬剤師免許取得者を挙げています。3の「保健衛生に関する学科」について、厚生労働省は「第一種衛生管理者免許試験について」のページで、試験が免除される大学・学科目の一覧を公開しています([厚生労働省])。
第二種衛生管理者免許は、別表第4では「試験に合格した者」と「その他厚生労働大臣が定める者」です。第一種はすべての業種で選任できるので、無試験で第一種を受けられる人がわざわざ第二種を取る必要はほぼありません(第一種と第二種の違い)。
衛生管理者の保健師・薬剤師の申請方法:窓口と必要書類
無試験で免許を受ける人の申請先は、申請者の住所地を管轄する都道府県労働局の健康安全主務課です(厚生労働省の手引き)。提出方法は簡易書留による郵送又は持参で、試験合格者が使う「東京労働局免許証発行センター」あての封筒は使えません。
| そろえるもの | ポイント |
|---|---|
| 免許申請書 | 試験合格者と同じ様式。無試験で免許を受けられる資格(添付する資格証の名称)と取得年月日を記入 |
| 資格を証する書面 | 保健師・薬剤師の免許証など(原本又はコピー)。卒業証明書等は本籍地をマスキング |
| 写真・本人確認証明書 | 写真は横24mm×縦30mm。本人確認は写真付きなら1種類、写真なしなら2種類 |
| 手数料・送料 | 収入印紙1,500円分、460円分の切手を貼った免許証送付用封筒 |
科目の一部免除:労働生理が免除される人
試験科目の免除は安衛則別表第5で決まっています。衛生管理者試験で免除されるのは労働生理だけです。
| 免除を受けられる人 | 対象の試験 |
|---|---|
| 船員法の衛生管理者適任証書の交付を受け、その後1年以上労働衛生の実務に従事した者 | 第一種・第二種 |
| 第二種衛生管理者免許を受けた者 | 第一種(特例第一種として受験) |
船員法の適任証書による免除は、受験申請書B欄の学科「一部免除」を○で囲み(労働生理)と記入します。労働生理の免除者の試験時間は2時間15分(13:30〜15:45)です。
第二種から第一種への特例
第二種の免許を持つ人が第一種を受ける「特例第一種衛生管理者免許試験」は、有害業務に係る関係法令と労働衛生の20問・2時間です。受験資格の書類は不要で、第二種衛生管理者免許証の写しを添付します。詳しくは特例第一種の記事へ。
医師・歯科医師などの扱い
安衛則10条は、衛生管理者の免許がなくても衛生管理者になれる資格として、医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントとその他厚生労働大臣が定める者を挙げています。これらの人は免許申請をしなくても選任できます。また、別表第4により、大学で医学に関する課程を修めて卒業した人は、試験なしで第一種衛生管理者免許を受けることもできます。
自分が無試験の対象か迷うときは、卒業した学校・学科と持っている資格を整理し、住所地の労働局に問い合わせるのが確実です。試験を受ける人は受験資格の記事から始めてください。
本番形式の問題で確かめる
この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。
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よくある質問
保健師は衛生管理者の試験を受けなくていいのですか?
愛知労働局の資料「安全衛生管理体制について」は、第一種衛生管理者を無試験で取得できる者として保健師・薬剤師免許取得者を挙げています。安衛則62条・別表第4の「その他厚生労働大臣が定める者」に当たる扱いです。申請の前に、住所地の労働局に必要書類を確認してください。
保健師・薬剤師の申請方法は?
免許申請書(試験合格者と同じ様式)に、無試験で免許を受けられる資格を記入し、資格を証する書面(保健師・薬剤師の免許証の原本又はコピー)、本人確認証明書、写真、収入印紙1,500円分、切手460円分を貼った送付用封筒をそろえて、住所地を管轄する都道府県労働局の健康安全主務課に提出します(厚生労働省の手引き)。
第二種衛生管理者の試験で免除される科目はありますか?
船員法による衛生管理者適任証書の交付を受け、その後1年以上労働衛生の実務に従事した人は、労働生理が免除されます(安衛則別表第5)。第二種で免除されるのはこの場合だけです。
医師は衛生管理者になれますか?
医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントは、衛生管理者の免許がなくても衛生管理者に選任できる資格者です(安衛則10条)。また、大学で医学に関する課程を修めて卒業した人は、試験なしで第一種衛生管理者免許を受けられます(別表第4)。
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出典
数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。
- 安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者」
- 安全衛生技術試験協会「試験の日程」
- 安全衛生技術試験協会「試験手数料」
- 安全衛生技術試験協会「統計」
- 厚生労働省
- 労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)
- 愛知労働局「安全衛生管理体制について」(厚生労働省)
- 厚生労働省の手引き(厚生労働省)
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