防毒マスク・防じんマスクの覚え方:吸収缶の色と使えない場所

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衛生管理者試験の保護具の問題は、「防毒マスクの吸収缶の色」と「防毒マスク・防じんマスクが使えない場所」の2つが中心です。どちらも理屈と組み合わせで覚えられます。呼吸用保護具の通達は令和5⁠年5月2⁠5⁠日に新しくなっているので、古い教材の通達名にも注意してください。

防じんマスクと防毒マスクの区別

結論

粒子(粉じん・ミスト・ヒューム)は防じんマスク、ガス・蒸気は防毒マスク。どちらも空気をろ過する「⁠ろ⁠過⁠式⁠」なので、酸素欠乏のおそれがある場所や濃度が分からない場所では使えず、送気マスクや空気呼吸器などの給気式を使います。吸収缶は有機ガス=黒、一酸化炭素=赤、アンモニア=緑から覚えます。

令和5⁠年5月2⁠5⁠日の通達「防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について」では、防じんマスクは酸素濃度1⁠8⁠%⁠以⁠上の場所であっても、有害なガス・蒸気がある場所では使わないこととされています。そうした場所では防毒マスクなどを使います。粉じんとオイルミストが混ざる場合は、区分がLタイプ(⁠R⁠L⁠3⁠な⁠ど⁠)の防じんマスクを選びます([厚生労働省])。ガス・蒸気・粉じんなどの区別はガス・蒸気・粉じん・ミスト・ヒュームの違いへ。

防毒マスクの吸収缶の色

吸収缶は、外側の側面が種類ごとに色分けされ、色以外の方法でも種類が表示されます(防毒マスクの規格第⁠8⁠条⁠第⁠5⁠項。[厚生労働省])。

吸収缶の種類色
ハロゲンガス用灰色及び黒色(⁠二⁠層⁠)
有機ガス用黒色
一酸化炭素用赤色
アンモニア用緑色
亜硫酸ガス用黄赤色

覚え方の一例:一酸化炭素は火(⁠赤⁠)、アンモニアは緑、有機ガスは黒、ハロゲンは灰色と黒の二層、亜硫酸ガスは黄赤。防じん機能付きの防毒マスクは、吸収缶のろ過材の部分に白線が入ります。選択肢では「⁠有⁠機⁠ガ⁠ス⁠用⁠は⁠赤⁠」「⁠一⁠酸⁠化⁠炭⁠素⁠用⁠は⁠黒⁠」のように2つを入れ替えるパターンに注意します。

酸素欠乏の場所で使えない理由と送気マスク

防じんマスクも防毒マスクも、周りの空気をろ過して吸うろ過式の呼吸用保護具です。空気中の酸素が足りなければ、ろ過しても酸素は増えません。通達では、酸素欠乏又はそのおそれがある場所と、有害物質の濃度が不明な場所では、ろ過式を使わせてはならないとし、酸素欠乏のおそれがある場所では、指定防護係数が1000以上の全面形面体を持つ給気式(循環式呼吸器、空気呼吸器、エアラインマスク、ホースマスク)から選ぶこととしています。

酸素欠乏症等防止規則でも、換気ができない場合などは、同時に就業する労働者の人数と同数以上の空気呼吸器等(空気呼吸器、酸素呼吸器又は送気マスク)を備えて使わせることになっています(⁠第⁠⁠⁠5⁠⁠⁠条⁠⁠⁠の⁠⁠⁠2⁠)。酸素濃度1⁠8⁠%⁠未⁠満が「⁠酸⁠素⁠欠⁠乏⁠」です(第⁠2⁠条。[e-Gov])。

吸収缶の破過と使用時間の管理

吸収缶が有毒ガスを吸収しきれなくなることを破過といいます。通達では次の点が示されています。

防音保護具などその他の保護具

強烈な騒音を発する場所の業務では、耳栓その他の保護具を備えなければなりません(安衛則第⁠5⁠9⁠5⁠条)。使用を命じたときは、そのことを作業中の労働者が分かるよう見やすい場所に掲示します。保護具は同時に就業する労働者の人数と同数以上を備え、常時有効かつ清潔に保ちます(⁠第⁠⁠⁠5⁠⁠⁠9⁠⁠⁠6⁠⁠⁠条⁠)。騒音のガイドラインでは、第Ⅲ管理区分(A測定平均値かB測定値が90dB以上)の場所では聴覚保護具を使わせ、その使用状況を管理者に確認させることとされています。くわしくは騒音障害の覚え方へ。

選択・使用の管理と保護具着用管理責任者

化学物質の自律的管理で、リスクアセスメントの結果に基づいて保護具を使わせる事業者は、保護具着用管理責任者を選任し、保護具の選択・使用・保守管理を管理させます(安衛則第⁠1⁠2⁠条⁠の⁠6)。第三管理区分の場所でも、保護具着用管理責任者の選任が求められる場合があります。制度の流れは法改正のまとめと作業環境測定の覚え方で解説しています。

出⁠典:厚生労働省「防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について」(令和5⁠年5月2⁠5⁠日 基発0525第3号。[厚生労働省])、防毒マスクの規格(平成2⁠年労働省告示第68号。[厚生労働省])、e-Gov法令検索の現行条文(労働安全衛生規則 [e-Gov]、酸素欠乏症等防止規則 [e-Gov])、騒音障害防止のためのガイドライン([厚生労働省])。2⁠0⁠2⁠6⁠年10月2⁠3⁠日確認。

本番形式の問題で確かめる

この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。

第1問 / 3労働衛生(有害業務)

局所排気装置の構造等に関する次の記述のうち、有機溶剤中毒予防規則に照らし、正しいものはどれか。

第2問 / 3労働衛生(有害業務)

有機溶剤中毒予防規則に定める局所排気装置の定期自主検査及び有機溶剤等の区分の表示に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

第3問 / 3労働衛生(有害業務)

防じんマスクの選択及び使用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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よくある質問

防毒マスクの吸収缶の色は?

防毒マスクの規格(平成2⁠年労働省告示第68号)第⁠8⁠条で、ハロゲンガス用は灰色及び黒色(⁠二⁠層⁠)、有機ガス用は黒色、一酸化炭素用は赤色、アンモニア用は緑色、亜硫酸ガス用は黄赤色と決められています。防じん機能のある防毒マスクは、吸収缶のろ過材の部分に白線を入れます。

酸素欠乏の場所で防毒マスクが使えないのはなぜですか?

防毒マスクや防じんマスクは、周りの空気をろ過して吸う「⁠ろ⁠過⁠式⁠」で、酸素そのものを補えないからです。通達では、酸素欠乏又はそのおそれがある場所と、有害物質の濃度が不明な場所では、ろ過式呼吸用保護具を使用させてはならないとされています。酸素欠乏症等防止規則では、空気中の酸素濃度1⁠8⁠%⁠未⁠満が「⁠酸⁠素⁠欠⁠乏⁠」です。

吸収缶の交換時期はにおいで判断してよいですか?

適切ではありません。通達では、着用者の感覚では有毒ガス等の危険性を感知できないおそれがあるので、吸収缶の破過を知るために臭いに頼るのは適切ではないとされています。使用時間を記録カード等に記録し、使用限度時間を超えて使わないようにします。

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出典

数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。

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