事業場の常時使用する労働者数と、法令上選任しなければならない衛生管理者の最少人数との組合せとして、正しいものはどれか。
衛生管理者の関係法令の数字の覚え方:選任・健診・保存年数
関係法令の選択肢は、数字を少しずらしただけのものが多く、「何人以上」「何日以内」「何か月以内ごとに1回」「何年間保存」を正確に覚えているかで差がつきます。この記事では、第一種・第二種に共通する有害業務以外の関係法令の数字を、条文番号つきで一覧にしました。すべてe-Gov法令検索の現行条文で確認した数字です。
選任と体制の数字(労働安全衛生法・同施行令・同規則)
結論
軸になるのは「50人」「14日以内」「毎週1回・毎月1回」「5年保存」の4つ。ここに、人数の区切り(500人・1,000人・3,000人)と、「以上」「超える」の違いを重ねて覚えると、ひっかけに強くなります。
| 項目 | 数字・要件 | 条文 |
|---|---|---|
| 衛生管理者・産業医・衛生委員会が必要な規模 | 常時50人以上 | 施行令第4条・第5条・第9条 |
| 衛生管理者・産業医の選任期限 | 選任すべき事由が発生した日から14日以内 | 安衛則第7条・第13条 |
| 衛生管理者の専任 | 常時1,000人超、または常時500人超で一定の有害業務に常時30人以上 | 安衛則第7条第1項第5号 |
| 衛生管理者の巡視 | 少なくとも毎週1回 | 安衛則第11条 |
| 産業医の専属 | 常時1,000人以上(一定の有害業務は常時500人以上) | 安衛則第13条第1項第3号 |
| 産業医2人以上 | 常時3,000人を超える事業場 | 安衛則第13条第1項第4号 |
| 産業医の巡視 | 少なくとも毎月1回(一定の情報提供と事業者の同意があれば2月に1回) | 安衛則第15条 |
| 委員会の開催・記録 | 毎月1回以上・記録3年間保存 | 安衛則第23条 |
衛生管理者の人数は規模に応じて1人〜6人です(安衛則第7条第1項第4号)。人数表は衛生管理者は何人から必要かに全段を載せています。
健康診断の数字(労働安全衛生規則)
| 項目 | 数字・要件 | 条文 |
|---|---|---|
| 雇入時の健診 | 雇い入れるとき(医師の健診後3月を経過しない人が結果を提出すれば相当項目は省略可) | 安衛則第43条 |
| 定期健診 | 1年以内ごとに1回 | 安衛則第44条 |
| 特定業務従事者の健診 | 配置替えの際と6月以内ごとに1回(胸部エックス線は1年以内ごとに1回で足りる) | 安衛則第45条 |
| 健康診断個人票 | 5年間保存 | 安衛則第51条 |
| 定期健診の結果報告 | 常時50人以上の事業者が所轄労基署長へ | 安衛則第52条 |
| 長時間労働者の面接指導 | 週40時間を超えた時間が1月当たり80時間を超え、疲労の蓄積が認められる者 | 安衛則第52条の2 |
| ストレスチェック | 1年以内ごとに1回 | 安衛則第52条の9 |
「定期健診は1年、特定業務従事者は6か月」「個人票は5年、委員会の記録は3年」のように、ペアにして違いを言えるようにすると、入れ替えのひっかけに気づけます。
事務所衛生基準規則の数字
| 項目 | 数字・要件 | 事務所則 |
|---|---|---|
| 気積 | 1人あたり10立方メートル以上(床から4mを超える空間は除く) | 第2条 |
| 窓など開放できる部分 | 床面積の20分の1以上 | 第3条第1項 |
| 一酸化炭素・二酸化炭素(室) | 百万分の50以下・百万分の5000以下 | 第3条第2項 |
| 空調・機械換気の供給空気 | 一酸化炭素 百万分の10以下・二酸化炭素 百万分の1000以下 | 第5条第1項 |
| 気流 | 0.5 m/s以下 | 第5条第2項 |
| 空調の室の温湿度(努力義務) | 18〜28度・40〜70% | 第5条第3項 |
| 暖房等の措置 | 室の気温が10度以下のとき | 第4条 |
| 照度 | 一般的な事務作業300ルクス以上・付随的な事務作業150ルクス以上 | 第10条 |
| 照明設備の点検・大掃除 | どちらも6月以内ごとに1回 | 第10条第3項・第15条 |
| 休養室・休養所 | 常時50人以上または常時女性30人以上(男女別) | 第21条 |
ひっかけが多いのは、室の基準(第3条)と空調の供給空気の基準(第5条)の取り違えです。二酸化炭素は室全体で百万分の5000以下、空調で供給する空気は百万分の1000以下と、空調のほうが厳しくなっています。温湿度は努力義務である点、照度は改正後の300・150ルクスである点も押さえましょう。中央管理方式の空調の室の測定は2月以内ごとに1回、記録は3年間保存です(第7条)。
労働基準法の数字
| 項目 | 数字・要件 | 労働基準法 |
|---|---|---|
| 法定労働時間 | 週40時間・1日8時間 | 第32条 |
| 休憩 | 6時間超で45分以上、8時間超で1時間以上 | 第34条 |
| 産前休業 | 6週間(多胎妊娠は14週間)以内に出産予定の女性が請求したとき | 第65条第1項 |
| 産後休業 | 産後8週間は就業させない(6週間経過後、本人の請求と医師の判断で一部可) | 第65条第2項 |
| 育児時間 | 生後満1年に達しない生児を育てる女性が、1日2回各々少なくとも30分 | 第67条 |
産前は「請求したら」、産後は「請求がなくても」就業させない、という違いがよく問われます。生理日の休暇(第68条)は日数の定めではなく、就業が著しく困難な女性が請求したときに就業させない、という規定です。
数字を覚えるコツ
- 「以上」と「超える」をセットで覚える:選任は50人「以上」、専任は1,000人「を超える」、産業医の専属は1,000人「以上」
- 誰が・何を・いつまでに:選任は事業者が14日以内、報告は「遅滞なく」所轄労働基準監督署長へ
- 古い教材の数字に注意:照度のように改正された規定がある。迷ったら条文を確認する
第一種の人は、有害業務の規則(有機則・特化則・酸欠則)の数字も別に整理しておきましょう(有害業務の関係法令の覚え方)。
本番形式の問題で確かめる
この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。
照明及び視環境に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
衛生管理者の選任に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
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よくある質問
事務室の照度の基準は何ルクスですか?
事務所衛生基準規則第10条で、一般的な事務作業は300ルクス以上、付随的な事務作業は150ルクス以上です。2022年12月に施行された改正後の基準なので、それより古い教材の数字で覚えないよう注意してください。照明設備は6月以内ごとに1回、定期に点検します。
衛生委員会は何人以上で設置し、どのくらいの頻度で開きますか?
常時50人以上の労働者を使用する事業場で設置し(労働安全衛生法施行令第9条)、毎月1回以上開催します。議事の記録は3年間保存です(労働安全衛生規則第23条)。
空気調和設備がある事務室の温度・湿度の基準は?
事務所衛生基準規則第5条第3項で、気温18度以上28度以下・相対湿度40%以上70%以下になるよう「努めなければならない」とされています。義務ではなく努力義務である点も問われます。
関連する記事
出典
数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。
- 安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者」
- 安全衛生技術試験協会「試験の日程」
- 安全衛生技術試験協会「試験手数料」
- 安全衛生技術試験協会「統計」
- 労働安全衛生法施行令(e-Gov法令検索)
- 労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)
- 事務所衛生基準規則(e-Gov法令検索)
- 労働基準法(e-Gov法令検索)
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