特殊健康診断における有害物質と検査項目に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
作業環境測定の覚え方:A測定・B測定・管理区分・頻度と保存
作業環境測定は、第一種衛生管理者の労働衛生(有害業務)でも関係法令(有害業務)でも出る範囲です。A測定とB測定の違い、管理区分の判定、作業場ごとの測定頻度と記録の保存年数。数字が多いので、「測る目的」→「判定」→「頻度と保存」の順に、意味をつけて覚えていきます。
測定が必要な作業場(安衛令第21条)と頻度
結論
A測定は場所全体の平均、B測定は発散源の近くの一番高いとき。管理区分は管理濃度と比べて第一〜第三に分け、B測定値が管理濃度の1.5倍を超えると第三管理区分。頻度は「6か月・記録3年」が基本形で、粉じん7年・特別管理物質30年・石綿40年などの例外を足します。
労働安全衛生法第65条で、有害な業務を行う屋内作業場などのうち政令で定めるものでは、作業環境測定を行い、結果を記録することが義務づけられています。対象は労働安全衛生法施行令第21条の10種類の作業場で、頻度と記録の保存期間は各規則で決まっています([e-Gov])。
| 作業場 | 頻度/記録の保存 |
|---|---|
| 土石・岩石・鉱物・金属・炭素の粉じん(特定粉じん作業) | 6月以内ごと/記録7年(粉じん則第26条) |
| 暑熱・寒冷・多湿の屋内作業場 | 半月以内ごと/記録3年(安衛則第607条) |
| 著しい騒音を発する屋内作業場 | 6月以内ごと/記録3年(安衛則第590条) |
| 坑内の作業場(通気量) | 半月以内ごと(安衛則第603条) |
| 中央管理方式の空調の事務所 | 2月以内ごと/記録3年(事務所則第7条) |
| 放射線業務の管理区域 | 1月以内ごと/記録5年(電離則第54条) |
| 特定化学物質(第1類・第2類) | 6月以内ごと/記録3年、一定の物は30年(特化則第36条) |
| 石綿 | 6月以内ごと/記録40年(石綿則第36条) |
| 鉛 | 1年以内ごと/記録3年(鉛則第52条) |
| 酸素欠乏危険場所 | その日の作業開始前/記録3年(酸欠則第3条) |
| 有機溶剤(第1種・第2種) | 6月以内ごと/記録3年(有機則第28条) |
「半月以内ごと」は暑熱・寒冷・多湿と坑内の通気量、「1年以内ごと」は鉛、「毎日作業前」は酸欠、と6か月以外のものだけを先に覚えると効率的です。放射線は1か月以内ごと(放射線装置を固定して使うなど一定の場合は6か月以内ごと)です。
A測定・B測定の目的
測定の方法は、厚生労働大臣が定める「作業環境測定基準」に従います(安衛法第65条第2項)。粉じんの例でみると、作業環境測定基準第2条は次のように定めています([厚生労働省])。
- A測定:単位作業場所(作業者の行動範囲や有害物の分布から決めた区域)の床面に6m以下の等間隔で縦横の線を引き、交点の床上50cm以上150cm以下で測る。測定点は5以上、作業が定常的に行われている時間に行う
- B測定:発散源に近い場所で作業がある場合に、濃度が最も高くなると思われる時間に、その作業位置で測る
- 採取時間:1つの測定点で10分間以上継続(相対濃度指示方法を除く)
A測定は「場の平均的な汚れ具合」、B測定は「一番危ない瞬間」を見る、と目的で区別しておくと、測定点や時間の選択肢の正誤が判断しやすくなります。
管理区分の判定と第三管理区分の措置
測定結果は、厚生労働大臣が定める「作業環境評価基準」で評価します。A測定の結果から計算した第一評価値・第二評価値と、B測定値を、物質ごとの管理濃度と比べます(作業環境評価基準第2条。[厚生労働省])。
- 第一管理区分:第一評価値もB測定値も管理濃度に満たない
- 第二管理区分:第二評価値が管理濃度以下で、B測定値が管理濃度の1.5倍以下(第一管理区分を除く)
- 第三管理区分:第二評価値が管理濃度を超える、またはB測定値が管理濃度の1.5倍を超える
第三管理区分になった場所では、直ちに施設・設備・作業方法を点検して改善し、効果を確かめるため再度測定・評価します。あわせて有効な呼吸用保護具を使わせ、評価の記録と措置を労働者に周知します(有機則第28条の3など)。改善後も第三管理区分のときは、事業場外の作業環境管理専門家の意見を聴き、改善が難しければ個人ばく露の測定に応じた呼吸用保護具の使用、装着の確認、保護具着用管理責任者の選任などが必要になります(有機則第28条の3の2など)。第二管理区分は、改善に努める(努力義務)にとどまります(第28条の4)。
管理濃度の意味
管理濃度は、作業環境評価基準の別表に示された数値で、作業環境測定の結果から管理区分を決めるための指標です。個々の労働者のばく露濃度と比べることを前提にしたばく露限界(日本産業衛生学会の許容濃度など)とは別物だと、職場のあんぜんサイトで説明されています([厚生労働省])。「管理濃度=個人のばく露限界」という選択肢は誤りです。
なお、測定値が管理濃度の10分の1に満たない測定点は、管理濃度の10分の1をその点の測定値とみなして区分してよい、という規定もあります(作業環境評価基準第2条第3項)。
記録の保存年数(特別なもの)
- 30年:特化則第36条第3項の一定の物(特別管理物質など)の測定記録
- 40年:石綿の測定記録(石綿則第36条)
- 7年:粉じんの測定記録(粉じん則第26条)
- 5年:放射線の管理区域の測定記録(電離則第54条)
- 3年:それ以外(有機溶剤・鉛・騒音・酸欠・事務所の空調など)
「がんなど何十年もあとに出る病気の物質ほど長い」と理由をつけると、30年・40年が自然に結びつきます。健康診断の記録の年数は特殊健康診断の覚え方、規則ごとの数字は有害業務の関係法令の覚え方へ。局所排気装置の点検は局所排気装置の覚え方で扱います。
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この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。
作業環境測定基準に基づく作業環境測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
作業環境評価基準に基づく管理区分の決定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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よくある質問
A測定とB測定の違いは何ですか?
A測定は単位作業場所の中に一定の間隔で測定点をとり、場所全体の濃度の分布(平均的な状態)をつかむ測定です。B測定は、発散源の近くで作業する場合に、濃度が最も高くなると思われる時間に、その作業の位置で行う測定です(作業環境測定基準第2条)。
作業環境測定の記録で30年保存が必要なのはどれですか?
特定化学物質障害予防規則第36条第3項で列挙された一定の物(特別管理物質など)に係る測定の記録は30年間保存です。通常の特定化学物質は3年間です。石綿の測定記録は40年間(石綿則第36条)、粉じんは7年間(粉じん則第26条)と、物質ごとに違います。
管理濃度の10分の1とは何ですか?
作業環境評価基準第2条第3項で、測定値が管理濃度の10分の1に満たない測定点がある場合は、管理濃度の10分の1をその測定点の測定値とみなして管理区分を決めることができる、とされています。濃度がとても低い測定点の扱いを決めた規定です。
作業環境測定は誰が行いますか?
作業環境測定法第3条で、指定作業場の測定は事業者が使用する作業環境測定士に実施させ、それができないときは作業環境測定機関に委託します。
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出典
数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。
- 労働安全衛生法施行令(e-Gov法令検索)
- 厚生労働省
- 厚生労働省
- 厚生労働省
- 労働安全衛生法(e-Gov法令検索)
- 有機溶剤中毒予防規則(e-Gov法令検索)
- 特定化学物質障害予防規則(e-Gov法令検索)
- 粉じん障害防止規則(e-Gov法令検索)
- 石綿障害予防規則(e-Gov法令検索)
- 作業環境測定法(e-Gov法令検索)
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