じん肺健康診断及びじん肺管理区分に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。
有害業務の関係法令の覚え方:有機則・特化則・酸欠則の数字
第一種衛生管理者だけに出る「関係法令(有害業務に係るもの)」は10問・80点。4問を下回ると、ほかで満点でも不合格です。有機溶剤中毒予防規則(有機則)・特定化学物質障害予防規則(特化則)・酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)は数字が多く見えますが、「測定」「記録」「健診」「個人票」の4つの軸で並べると、覚える数字はかなり絞れます。
3つの規則の数字を一枚で
結論
有機則・特化則は測定も健診も6月以内ごとに1回、測定記録3年・健診個人票5年が基本形。特化則の特別管理物質などだけ30年。酸欠則は酸素18%未満が酸素欠乏、測定は毎日作業開始前。基本形を覚えてから、例外を足していきます。
| 規則 | 作業環境の測定 | 測定記録の保存 | 特殊健康診断 | 健診個人票の保存 |
|---|---|---|---|---|
| 有機則 | 6月以内ごとに1回(第28条) | 3年 | 6月以内ごとに1回(第29条) | 5年(第30条) |
| 特化則 | 6月以内ごとに1回(第36条) | 3年(一定の物質は30年) | 別表第三の期間ごと(第39条) | 5年(特別管理物質は30年。第40条) |
| 酸欠則 | その日の作業を開始する前(第3条) | 3年 | — | — |
有機溶剤中毒予防規則(有機則)
「有機溶剤等」には、有機溶剤そのものと、有機溶剤を重量の5%を超えて含む混合物(有機溶剤含有物)が入ります(第1条)。第1種・第2種・第3種の区分があり、屋内作業場等で有機溶剤業務を行うときは区分を色分けで表示します(第25条)。
| 区分 | 表示の色(第25条) |
|---|---|
| 第1種有機溶剤等 | 赤 |
| 第2種有機溶剤等 | 黄 |
| 第3種有機溶剤等 | 青 |
局所排気装置は、フードの型式ごとに決められた制御風速を出せる能力が必要です(第16条)。
| フードの型式 | 制御風速(第16条) |
|---|---|
| 囲い式フード | 0.4 m/s |
| 外付け式フード(側方吸引型) | 0.5 m/s |
| 外付け式フード(下方吸引型) | 0.5 m/s |
| 外付け式フード(上方吸引型) | 1.0 m/s |
囲い式がいちばん小さく、外付け式の上方吸引型がいちばん大きい、と並びで覚えると取り違えにくくなります。ほかに、作業主任者は技能講習を修了した者から選任(第19条第2項)、疾病の種類や応急処置などの掲示(第24条)も定番です。
特定化学物質障害予防規則(特化則)
測定は6月以内ごとに1回で、記録は3年間保存が基本です(第36条第1項・第2項)。ただし、条文(第36条第3項)で列挙された一定の物質に係る測定の記録は30年間保存します(同条第3項)。健康診断の個人票も、通常は5年間、特別管理物質を取り扱う業務に常時従事した労働者のものは30年間です(第40条)。「特別管理物質は特別に長い30年」と、名前とセットで覚えておくと取り違えにくくなります。
酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)
- 定義(第2条):酸素欠乏=空気中の酸素濃度が18%未満。硫化水素の濃度が百万分の10を超える状態も含めて「酸素欠乏等」
- 測定(第3条):その日の作業を開始する前に測定し、記録は3年間保存(第二種酸素欠乏危険作業は硫化水素も)
- 換気(第5条):酸素濃度18%以上に保つよう換気。純酸素は使ってはならない
- 作業主任者(第11条)・特別教育(第12条):作業主任者は技能講習修了者から選任。作業者には特別の教育
有機則・特化則が「6か月ごと」なのに対して、酸欠則は「毎日、作業の前」。「何か月ごと」ではなく「その日の作業の前」と、対比で覚えましょう。「換気に酸素を送り込めばよい」という選択肢は、純酸素の禁止に引っかける典型です。
新しいルール:化学物質管理者(安衛則第12条の5)
労働安全衛生規則第12条の5では、リスクアセスメント対象物を製造し、または取り扱う事業場ごとに化学物質管理者を選任し、表示・リスクアセスメントの実施・記録などの技術的事項を管理させることが定められています。選任は選任すべき事由が発生した日から14日以内で、リスクアセスメント対象物を製造する事業場では、厚生労働大臣が定める講習の修了者などから選任します。古い教材には載っていないことがあるので、現行の条文で押さえておきましょう。
覚え方のコツ
- 基本形を1つ決める:「測定・健診は6か月、記録3年・個人票5年」を軸に、例外(30年保存、酸欠の毎日測定)だけを別に覚える
- 選択肢の「すべて」「必ず」を疑う:例外がある規定を言い切っていないか、条文の「ただし書」を思い出して確かめる
- 一般の法令の数字と混ぜない:一般健診の周期や保存年数は関係法令の数字の覚え方で別に整理
本番形式の問題で確かめる
この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。
労働安全衛生法に基づく定期自主検査に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
溶接ヒューム及び石綿による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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よくある質問
有機溶剤の区分の色は何ですか?
有機溶剤中毒予防規則第25条で、第1種有機溶剤等は赤、第2種有機溶剤等は黄、第3種有機溶剤等は青と決められています。区分は色分けと、色分け以外の方法の両方で表示します。
測定の記録と健康診断の記録は何年保存ですか?
有機則では、作業環境測定の記録が3年間(第28条)、有機溶剤等健康診断個人票が5年間(第30条)です。特化則も同じく測定3年・健診5年が基本で、一定の物質の測定記録と特別管理物質に係る健診個人票は30年間保存です(第36条第3項・第40条第2項)。
「酸素欠乏」は酸素濃度何%からですか?
酸素欠乏症等防止規則第2条で、空気中の酸素の濃度が18%未満である状態を「酸素欠乏」と定義しています。作業場所は酸素濃度18%以上に保つよう換気し、換気に純酸素を使ってはいけません(第5条)。
化学物質管理者も試験に出ますか?
今後の出題は事前には分かりませんが、令和8年10月掲載の第一種の公表問題には化学物質管理者をテーマにした問題がありました。労働安全衛生規則第12条の5で、リスクアセスメント対象物を製造・取り扱う事業場ごとの選任(14日以内)が定められている現行のルールです。古いテキストには載っていないことがあるので、条文で確認しておくと安心です。
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出典
数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。
- 安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者」
- 安全衛生技術試験協会「試験の日程」
- 安全衛生技術試験協会「試験手数料」
- 安全衛生技術試験協会「統計」
- 有機溶剤中毒予防規則(e-Gov法令検索)
- 特定化学物質障害予防規則(e-Gov法令検索)
- 酸素欠乏症等防止規則(e-Gov法令検索)
- 労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)
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