有害業務の関係法令の覚え方:有機則・特化則・酸欠則の数字

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第⁠一⁠種衛生管理者だけに出る「関係法令(⁠有⁠害⁠業⁠務⁠に⁠係⁠る⁠も⁠の⁠)」は1⁠0⁠問・8⁠0⁠点。4⁠問を下回ると、ほかで満点でも不合格です。有機溶剤中毒予防規則(⁠有⁠機⁠則⁠)・特定化学物質障害予防規則(⁠特⁠化⁠則⁠)・酸素欠乏症等防止規則(⁠酸⁠欠⁠則⁠)は数字が多く見えますが、「⁠測⁠定⁠」「⁠記⁠録⁠」「⁠健⁠診⁠」「⁠個⁠人⁠票⁠」の4つの軸で並べると、覚える数字はかなり絞れます。

3つの規則の数字を一枚で

結論

有機則・特化則は測定も健診も6月以内ごとに1回、測定記録3⁠年・健診個人票5⁠年が基本形。特化則の特別管理物質などだけ3⁠0⁠年。酸欠則は酸素1⁠8⁠%⁠未⁠満が酸素欠乏、測定は毎日作業開始前。基本形を覚えてから、例外を足していきます。

規則作業環境の測定測定記録の保存特殊健康診断健診個人票の保存
有機則6月以内ごとに1回(⁠第⁠⁠⁠2⁠⁠⁠8⁠⁠⁠条⁠)3⁠年6月以内ごとに1回(⁠第⁠⁠⁠2⁠⁠⁠9⁠⁠⁠条⁠)5⁠年(⁠第⁠⁠⁠3⁠⁠⁠0⁠⁠⁠条⁠)
特化則6月以内ごとに1回(⁠第⁠⁠⁠3⁠⁠⁠6⁠⁠⁠条⁠)3⁠年(⁠一⁠定⁠の⁠物⁠質⁠は⁠3⁠0⁠年⁠)別表第三の期間ごと(⁠第⁠⁠⁠3⁠⁠⁠9⁠⁠⁠条⁠)5⁠年(特別管理物質は3⁠0⁠年。第⁠4⁠0⁠条)
酸欠則その日の作業を開始する前(⁠第⁠⁠⁠3⁠⁠⁠条⁠)3⁠年——
有機則・特化則の健診は、作業環境の評価が連続して第一管理区分であるなどの要件を満たした場合に、定期の健診を1⁠年以内ごとに1回とできる規定があります(有機則第⁠2⁠9⁠条⁠第⁠6⁠項・特化則第⁠3⁠9⁠条⁠第⁠4⁠項)。

有機溶剤中毒予防規則(⁠有⁠機⁠則⁠)

「⁠有⁠機⁠溶⁠剤⁠等⁠」には、有機溶剤そのものと、有機溶剤を重量の5⁠%を超えて含む混合物(⁠有⁠機⁠溶⁠剤⁠含⁠有⁠物⁠)が入ります(⁠第⁠⁠⁠1⁠⁠⁠条⁠)。第1種・第2種・第3種の区分があり、屋内作業場等で有機溶剤業務を行うときは区分を色分けで表示します(⁠第⁠⁠⁠2⁠⁠⁠5⁠⁠⁠条⁠)。

区分表示の色(⁠第⁠⁠⁠2⁠⁠⁠5⁠⁠⁠条⁠)
第1種有機溶剤等赤
第2種有機溶剤等黄
第3種有機溶剤等青

局所排気装置は、フードの型式ごとに決められた制御風速を出せる能力が必要です(⁠第⁠⁠⁠1⁠⁠⁠6⁠⁠⁠条⁠)。

フードの型式制御風速(⁠第⁠⁠⁠1⁠⁠⁠6⁠⁠⁠条⁠)
囲い式フード0.4 m/s
外付け式フード(⁠側⁠方⁠吸⁠引⁠型⁠)0.5 m/s
外付け式フード(⁠下⁠方⁠吸⁠引⁠型⁠)0.5 m/s
外付け式フード(⁠上⁠方⁠吸⁠引⁠型⁠)1.0 m/s

囲い式がいちばん小さく、外付け式の上方吸引型がいちばん大きい、と並びで覚えると取り違えにくくなります。ほかに、作業主任者は技能講習を修了した者から選任(第⁠1⁠9⁠条⁠第⁠2⁠項)、疾病の種類や応急処置などの掲示(⁠第⁠⁠⁠2⁠⁠⁠4⁠⁠⁠条⁠)も定番です。

特定化学物質障害予防規則(⁠特⁠化⁠則⁠)

測定は6月以内ごとに1回で、記録は3⁠年間保存が基本です(第⁠3⁠6⁠条⁠第⁠1⁠項・第2項)。ただし、条文(第⁠3⁠6⁠条⁠第⁠3⁠項)で列挙された一定の物質に係る測定の記録は3⁠0⁠年間保存します(⁠同⁠条⁠第⁠3⁠項⁠)。健康診断の個人票も、通常は5⁠年間、特別管理物質を取り扱う業務に常時従事した労働者のものは3⁠0⁠年間です(⁠第⁠⁠⁠4⁠⁠⁠0⁠⁠⁠条⁠)。「特別管理物質は特別に長い3⁠0⁠年」と、名前とセットで覚えておくと取り違えにくくなります。

酸素欠乏症等防止規則(⁠酸⁠欠⁠則⁠)

有機則・特化則が「⁠6⁠か⁠月⁠ご⁠と⁠」なのに対して、酸欠則は「⁠毎⁠日⁠、⁠作⁠業⁠の⁠前⁠」。「⁠何⁠か⁠月⁠ご⁠と⁠」ではなく「⁠そ⁠の⁠日⁠の⁠作⁠業⁠の⁠前⁠」と、対比で覚えましょう。「換気に酸素を送り込めばよい」という選択肢は、純酸素の禁止に引っかける典型です。

新しいルール:化学物質管理者(安衛則第⁠1⁠2⁠条⁠の⁠5)

労働安全衛生規則第⁠1⁠2⁠条⁠の⁠5では、リスクアセスメント対象物を製造し、または取り扱う事業場ごとに化学物質管理者を選任し、表示・リスクアセスメントの実施・記録などの技術的事項を管理させることが定められています。選任は選任すべき事由が発生した日から1⁠4⁠日以内で、リスクアセスメント対象物を製造する事業場では、厚生労働大臣が定める講習の修了者などから選任します。古い教材には載っていないことがあるので、現行の条文で押さえておきましょう。

覚え方のコツ

出⁠典:公益財団法人安全衛生技術試験協会「第⁠一⁠種⁠・⁠第⁠二⁠種衛生管理者」「⁠試⁠験⁠の⁠日⁠程⁠」「⁠試⁠験⁠手⁠数⁠料⁠」「⁠統⁠計⁠」(2⁠0⁠2⁠6⁠年10月2⁠3⁠日確認)。試験の最新情報は同協会の公式サイトで確認してください。 条文はe-Gov法令検索の現行条文(有機溶剤中毒予防規則 [e-Gov]、特定化学物質障害予防規則 [e-Gov]、酸素欠乏症等防止規則 [e-Gov]、労働安全衛生規則 [e-Gov]。2⁠0⁠2⁠6⁠年10月2⁠3⁠日確認)。

本番形式の問題で確かめる

この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。

第1問 / 3労働衛生(有害業務)

じん肺健康診断及びじん肺管理区分に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。

第2問 / 3関係法令(有害業務)

労働安全衛生法に基づく定期自主検査に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。

第3問 / 3労働衛生(有害業務)

溶接ヒューム及び石綿による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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よくある質問

有機溶剤の区分の色は何ですか?

有機溶剤中毒予防規則第⁠2⁠5⁠条で、第1種有機溶剤等は赤、第2種有機溶剤等は黄、第3種有機溶剤等は青と決められています。区分は色分けと、色分け以外の方法の両方で表示します。

測定の記録と健康診断の記録は何年保存ですか?

有機則では、作業環境測定の記録が3⁠年間(⁠第⁠⁠⁠2⁠⁠⁠8⁠⁠⁠条⁠)、有機溶剤等健康診断個人票が5⁠年間(⁠第⁠⁠⁠3⁠⁠⁠0⁠⁠⁠条⁠)です。特化則も同じく測定3⁠年・健診5⁠年が基本で、一定の物質の測定記録と特別管理物質に係る健診個人票は3⁠0⁠年間保存です(第⁠3⁠6⁠条⁠第⁠3⁠項・第⁠4⁠0⁠条⁠第⁠2⁠項)。

「⁠酸⁠素⁠欠⁠乏⁠」は酸素濃度何%からですか?

酸素欠乏症等防止規則第⁠2⁠条で、空気中の酸素の濃度が1⁠8⁠%⁠未⁠満である状態を「⁠酸⁠素⁠欠⁠乏⁠」と定義しています。作業場所は酸素濃度1⁠8⁠%⁠以⁠上に保つよう換気し、換気に純酸素を使ってはいけません(⁠第⁠⁠⁠5⁠⁠⁠条⁠)。

化学物質管理者も試験に出ますか?

今後の出題は事前には分かりませんが、令和8⁠年10月掲載の第⁠一⁠種の公表問題には化学物質管理者をテーマにした問題がありました。労働安全衛生規則第⁠1⁠2⁠条⁠の⁠5で、リスクアセスメント対象物を製造・取り扱う事業場ごとの選任(⁠1⁠4⁠日⁠以⁠内⁠)が定められている現行のルールです。古いテキストには載っていないことがあるので、条文で確認しておくと安心です。

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出典

数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。

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