職場における熱中症防止のためのガイドラインに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
電離放射線の覚え方:電離則の線量限度と確定的影響・確率的影響
第一種衛生管理者の電離放射線は、労働衛生では「確定的影響と確率的影響」、関係法令では「電離放射線障害防止規則(電離則)の線量限度」が中心です。数字が多く見えますが、基本は「100・50」の組み合わせで、そこに女性・水晶体・皮膚・緊急作業の例外が並ぶだけです。
電離放射線の種類と単位
結論
確定的影響はしきい線量あり(脱毛・白内障・皮膚障害)、確率的影響はしきい線量なしと仮定(がん・白血病・遺伝性影響)。電離則の線量限度は実効線量・水晶体とも100mSv/5年かつ50mSv/年、女性は5mSv/3月、皮膚は500mSv/年。健診は6か月ごと、個人票は30年保存です。
電離則第2条で、電離放射線は次の粒子線・電磁波と定義されています([e-Gov])。
- アルファ線、重陽子線、陽子線
- ベータ線、電子線
- 中性子線
- ガンマ線、エックス線(電磁波)
線量限度はシーベルト(Sv)、多くはその千分の一のミリシーベルト(mSv)で決められています。電離則の限度には、「実効線量」と、眼の水晶体や皮膚など組織ごとの「等価線量」の2種類があることを押さえておきます。
確定的影響と確率的影響
環境省の資料では、放射線の人体への影響を次の2つに分けています([出典])。
- 確定的影響(脱毛・白内障・皮膚障害など):しきい線量がある。同じ線量を多数の人が被ばくしたとき、全体の1%の人に症状が現れる線量を「しきい線量」としている(ICRP 2007年勧告)
- 確率的影響(がん・白血病・遺伝性影響など):一定の線量以下では他の発がん要因の影響が大きすぎて見えないが、それ以下でも影響はあると仮定して防護の基準を決めている(しきい線量なしと仮定)
「白内障は確率的影響」「白血病にはしきい線量がある」という入れ替えが典型です。がん・白血病・遺伝=確率的、それ以外の組織の障害=確定的、と分けると迷いません。
電離則:管理区域と線量限度
外部放射線と空気中の放射性物質による実効線量の合計が3月間につき1.3ミリシーベルトを超えるおそれのある区域などは管理区域として標識で明示し、必要のある人以外を立ち入らせません(第3条)。管理区域で放射線業務に従事する人(放射線業務従事者)の線量限度は次のとおりです。
| 対象 | 限度 |
|---|---|
| 実効線量(第4条第1項) | 100mSv/5年 かつ 50mSv/1年 |
| 女性の実効線量(第4条第2項) | 5mSv/3月 |
| 眼の水晶体の等価線量(第5条) | 100mSv/5年 かつ 50mSv/1年 |
| 皮膚の等価線量(第5条) | 500mSv/1年 |
| 妊娠中(第6条) | 内部被ばくの実効線量1mSv、腹部表面の等価線量2mSv |
| 緊急作業(第7条) | 実効線量100mSv、眼の水晶体300mSv、皮膚1Sv |
女性の5mSv/3月は、妊娠する可能性がないと診断された人などは対象外です。眼の水晶体の等価線量限度は、令和3年4月1日施行の改正で、それまでの150mSv/年から「100mSv/5年かつ50mSv/年」に引き下げられました([厚生労働省]・[e-Gov])。古い教材の150mSvは使わないでください。
測定・健康診断と記録の保存
- 管理区域の測定(第54条):1月以内(放射線装置を固定して使い、使い方や遮へい物の位置が一定のときなどは6月以内)ごとに1回、線量当量率などを放射線測定器で測定し、記録を5年間保存
- 健康診断(第56条):放射線業務に常時従事し管理区域に立ち入る人に、雇入れ・配置替えの際と6月以内ごとに1回。被ばく歴の調査と評価、白血球数・白血球百分率、赤血球数と血色素量など、白内障に関する眼の検査、皮膚の検査
- 健診個人票(第57条):30年間保存(5年保存後に指定機関へ引き渡すときを除く)
- 線量の記録(第9条):30年間保存(同じく5年保存後の引渡しの例外あり)
白内障や皮膚の検査が入っていることは、確定的影響の例(白内障・皮膚障害)と結びつけて覚えられます。作業主任者(エックス線作業主任者・ガンマ線透過写真撮影作業主任者)は免許が必要です(作業主任者の覚え方)。
非電離放射線(紫外線・赤外線・レーザー・マイクロ波)との区別
労働基準法施行規則別表第1の2では、非電離放射線による疾病を次のように挙げています([e-Gov])。
- 紫外線:前眼部疾患、皮膚疾患
- 赤外線:網膜火傷、白内障等の眼疾患、皮膚疾患
- レーザー光線:網膜火傷等の眼疾患、皮膚疾患
- マイクロ波:白内障等の眼疾患
電離放射線による疾病は、同じ別表で急性放射線症、放射線皮膚障害、白内障等の放射線眼疾患、放射線肺炎、再生不良性貧血等の造血器障害などが挙がっています。「紫外線で白血病」のような組み合わせは誤りです。そのほかの物理的因子はWBGTと熱中症の覚え方・騒音障害の覚え方へ。
本番形式の問題で確かめる
この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。
有機溶剤中毒予防規則に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
電離放射線による健康影響及び被ばく管理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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よくある質問
確定的影響と確率的影響の違いは何ですか?
確定的影響(脱毛・白内障・皮膚障害など)は、しきい線量があり、それより少ない被ばくでは症状が現れません。確率的影響(がん・白血病・遺伝性影響など)は、しきい線量がないと仮定して放射線防護の基準を決めています(環境省資料)。
放射線業務従事者の線量限度は?
電離則第4条で、実効線量は100ミリシーベルト/5年、かつ50ミリシーベルト/年を超えないこと。妊娠する可能性がないと診断された人などを除く女性は5ミリシーベルト/3月です。眼の水晶体の等価線量は100ミリシーベルト/5年かつ50ミリシーベルト/年、皮膚は500ミリシーベルト/年です(第5条)。
電離放射線健康診断の個人票は何年保存ですか?
電離則第57条で30年間です。ただし5年間保存した後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは、この限りではありません。健診は雇入れ・配置替えの際と、その後6月以内ごとに1回です(第56条)。
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出典
数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。
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