衛生管理者試験の労働基準法:有給休暇・労働時間・就業規則の出るところ

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労働基準法は条文が多く、全部を覚えようとすると終わりません。衛生管理者試験の関係法令で問われるのは、労働時間・休憩・休日、年次有給休暇、変形労働時間制と時間外労働、就業規則、妊産婦・年少者のあたりにほぼ集中しています。この記事では、その範囲の当たりを付けて、条文の数字を整理します。

試験で出る労働基準法の範囲

結論

まず週4⁠0⁠時⁠間・1⁠日8⁠時⁠間、休憩4⁠5⁠分/1⁠時⁠間(第⁠3⁠2⁠条・第⁠3⁠4⁠条)。次に有給休暇の6⁠か⁠月・8割・1⁠0⁠日と比例付与(⁠第⁠⁠⁠3⁠⁠⁠9⁠⁠⁠条⁠)。そのうえで変形労働時間制の期間(1⁠か⁠月以内・1⁠年以内・フレックス3⁠か⁠月以内)と、就業規則の常時1⁠0⁠人⁠以⁠上を押さえれば、出題の大半に対応できます。

テーマ押さえる条文と数字
労働時間第⁠3⁠2⁠条:休憩時間を除き週4⁠0⁠時⁠間・1⁠日8⁠時⁠間まで
休憩第⁠3⁠4⁠条:6⁠時⁠間を超えたら少なくとも4⁠5⁠分、8⁠時⁠間を超えたら少なくとも1⁠時⁠間。原則一斉付与・自由利用
休日第⁠3⁠5⁠条:毎週少なくとも1回。4週間を通じ4⁠日⁠以⁠上でも可
年次有給休暇第⁠3⁠9⁠条:6⁠か⁠月継続勤務・8割以上出勤で10労働日
適用除外第⁠4⁠1⁠条:管理監督者・機密の事務を取り扱う者などは労働時間・休憩・休日の規定を適用しない
就業規則第⁠8⁠9⁠条・第⁠9⁠0⁠条:常時1⁠0⁠人⁠以⁠上で作成・届出、過半数組合等の意見を聴く
妊産婦・年少者第⁠6⁠1⁠条〜第⁠6⁠8⁠条:就業制限の記事で整理

年次有給休暇の付与と比例付与

第⁠3⁠9⁠条⁠第⁠1⁠項は、雇入れの日から6⁠か⁠月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に、10労働日の有給休暇を与えるとしています。その後は「⁠6⁠か⁠月⁠経⁠過⁠日⁠」から1⁠年ごとに次の日数が加算されます(⁠第⁠2⁠項⁠)。

6⁠か⁠月経過日からの継続勤務年数付与日数(⁠加⁠算⁠分⁠)
1⁠年1⁠1⁠日(⁠+⁠1⁠日⁠)
2⁠年1⁠2⁠日(⁠+⁠2⁠日⁠)
3⁠年1⁠4⁠日(⁠+⁠4⁠日⁠)
4⁠年1⁠6⁠日(⁠+⁠6⁠日⁠)
5⁠年1⁠8⁠日(⁠+⁠8⁠日⁠)
6⁠年⁠以⁠上2⁠0⁠日(⁠+⁠1⁠0⁠日⁠)

パートタイマーなど所定労働日数が少ない人は比例付与です。対象は「週の所定労働時間が3⁠0⁠時⁠間⁠未⁠満」かつ「週4⁠日⁠以⁠下(⁠年⁠2⁠1⁠6⁠日⁠以⁠下⁠)」の人で、通常の労働者の週所定労働日数を5⁠.⁠2⁠日として日数が決まっています(労働基準法施行規則第⁠2⁠4⁠条⁠の⁠3)。週4⁠日なら6⁠か⁠月で7⁠日、週3⁠日なら5⁠日です。計算のしかたは試験で数字を当てはめる形でも出ます。

変形労働時間制と時間外労働

制度(⁠条⁠文⁠)期間と決め方
1⁠か⁠月単位(第⁠3⁠2⁠条⁠の⁠2)1⁠か⁠月以内の期間を平均して週4⁠0⁠時⁠間以内。労使協定又は就業規則で定める
フレックスタイム(第⁠3⁠2⁠条⁠の⁠3)清算期間は3⁠か⁠月以内。就業規則で始業・終業を労働者に委ね、労使協定を結ぶ
1⁠年単位(第⁠3⁠2⁠条⁠の⁠4)1⁠か⁠月を超え1⁠年以内の対象期間。労使協定で定める
1週間単位の非定型的(第⁠3⁠2⁠条⁠の⁠5)小規模の一定の事業で、1⁠日1⁠0⁠時⁠間まで。労使協定で定める

時間外・休日労働は、過半数組合等と書面で協定し届け出たとき(いわゆる36協定、第⁠3⁠6⁠条)に認められます。限度時間は1⁠か⁠月4⁠5⁠時⁠間・1⁠年3⁠6⁠0⁠時⁠間(⁠第⁠4⁠項⁠)。臨時的な特別の事情があっても、休日労働を含めて1⁠か⁠月1⁠0⁠0⁠時⁠間⁠未⁠満、1⁠年7⁠2⁠0⁠時⁠間以内、2〜6⁠か⁠月平均8⁠0⁠時⁠間以内で、月4⁠5⁠時⁠間を超えられるのは年6⁠か⁠月以内です(⁠第⁠5⁠項⁠・⁠第⁠6⁠項⁠)。衛生管理者試験らしい点として、坑内労働など健康上特に有害な業務の時間外労働は1⁠日2⁠時⁠間まで(⁠第⁠6⁠項⁠第⁠1⁠号⁠)があります。

なお、変形労働時間制を採っていても、妊産婦が請求したら週4⁠0⁠時⁠間・1⁠日8⁠時⁠間を超えて働かせられない(⁠第⁠⁠⁠6⁠⁠⁠6⁠⁠⁠条⁠)という組み合わせ問題もよく出ます。

数字だけ一覧で覚えたいとき

労働基準法の数字は、安衛法・安衛則の数字(選任の期限、健診の周期、記録の保存年数など)と一緒に出題されます。科目全体の数字を一枚で見たいときは関係法令の数字の覚え方を、関係法令(⁠有⁠害⁠業⁠務⁠以⁠外⁠)の配点と足切りの関係は何点で合格かを参照してください。

出⁠典:公益財団法人安全衛生技術試験協会「第⁠一⁠種⁠・⁠第⁠二⁠種衛生管理者」「⁠試⁠験⁠の⁠日⁠程⁠」「⁠試⁠験⁠手⁠数⁠料⁠」「⁠統⁠計⁠」(2⁠0⁠2⁠6⁠年10月2⁠3⁠日確認)。試験の最新情報は同協会の公式サイトで確認してください。 条文はe-Gov法令検索の現行条文(労働基準法 [e-Gov]、労働基準法施行規則 [e-Gov]。2⁠0⁠2⁠6⁠年10月2⁠3⁠日確認)。個別の労務判断は社会保険労務士などの専門家や労働基準監督署に確認してください。

本番形式の問題で確かめる

この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。

第1問 / 3関係法令

事務所の設備の点検及び清掃に関する次の記述のうち、事務所衛生基準規則上、誤っているものはどれか。

第2問 / 3関係法令

事務所の休養室、便所等の設備に関する次の記述のうち、事務所衛生基準規則上、正しいものはどれか。

第3問 / 3関係法令

事務所衛生基準規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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よくある質問

年次有給休暇は入社何か月で何日もらえますか?

労働基準法第⁠3⁠9⁠条⁠第⁠1⁠項で、雇入れの日から6⁠か⁠月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に10労働日を与えます。その後は1⁠年ごとに加算され、6⁠か⁠月経過日から6⁠年⁠以⁠上で2⁠0⁠日になります(⁠第⁠2⁠項⁠)。

パートの有給休暇(⁠比⁠例⁠付⁠与⁠)の対象は?

週の所定労働時間が3⁠0⁠時⁠間⁠未⁠満で、週の所定労働日数が4⁠日⁠以⁠下(週以外で定める場合は年2⁠1⁠6⁠日⁠以⁠下)の労働者です(労働基準法第⁠3⁠9⁠条⁠第⁠3⁠項、労働基準法施行規則第⁠2⁠4⁠条⁠の⁠3)。週3⁠0⁠時⁠間⁠以⁠上なら日数が少なくても通常の付与です。

管理監督者にも休憩や休日の規定は適用されますか?

労働基準法第⁠4⁠1⁠条⁠第⁠2⁠号で、監督若しくは管理の地位にある者には、労働時間・休憩・休日に関する規定は適用しないとされています。年次有給休暇(⁠第⁠⁠⁠3⁠⁠⁠9⁠⁠⁠条⁠)は「労働時間・休憩・休日」の規定ではないので、この除外には含まれません。具体的に誰が管理監督者に当たるかの判断は、専門家や労働基準監督署に確認してください。

就業規則は何人から作成が必要ですか?

常時1⁠0⁠人⁠以⁠上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成して行政官庁(⁠労⁠働⁠基⁠準⁠監⁠督⁠署⁠長⁠)に届け出なければなりません(⁠第⁠⁠⁠8⁠⁠⁠9⁠⁠⁠条⁠)。作成・変更には労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は過半数代表者)の意見を聴き、その意見を記した書面を添付します(⁠第⁠⁠⁠9⁠⁠⁠0⁠⁠⁠条⁠)。

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出典

数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。

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