「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に定める4つのメンタルヘルスケアに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
情報機器作業(VDT)ガイドラインの覚え方:作業時間・照度・健診
情報機器作業ガイドラインは、労働衛生(有害業務以外)の定番です。出るのは休止時間・照度・視距離・健診の周期の数字がほとんどで、腰痛予防対策指針や事務所則の数字と入れ替えた選択肢がよく作られます。厚生労働省の通達本文(令和3年12月1日一部改正版)に沿って、覚える数字を絞ります。
ガイドラインの対象と作業区分
結論
1時間以内に10〜15分休む、途中に小休止1〜2回。照度は書類・キーボード上で300ルクス以上、視距離はおおむね40cm以上、画面の上端は目の高さかやや下。健診は配置前と1年以内ごとに1回。作業区分の境目は1日4時間です。
正式名は「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(令和元年7月12日 基発0712第3号、令和3年12月1日 基発1201第7号で一部改正)。平成14年の「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を置き換えたもので、パソコンだけでなくタブレット・スマートフォンなども対象にしています。対象は事務所で行われる情報機器作業で、事務所以外の場所でもできる限り準じるよう求めています。
| 作業区分(別紙) | 定義と健診の対象 |
|---|---|
| 作業時間又は作業内容に相当程度拘束性があると考えられるもの | 1日に4時間以上情報機器作業を行い、常時ディスプレイを注視する(入力装置を操作する)、又は裁量で休憩・姿勢変更が困難な者。全員が健診対象 |
| 上記以外のもの | 4時間未満の作業、4時間以上でも裁量で休憩できる作業など。自覚症状を訴える者のみ健診対象 |
作業区分は、別紙を参考に産業医等の意見を聴きつつ衛生委員会等で決める、とされています。また、健康影響は作業時間と拘束性に強く依存するので、対策は「作業管理」を優先する、という考え方も示されています。
作業環境管理(照度・グレア)
- 照度:ディスプレイを用いる場合の書類上・キーボード上の照度は300ルクス以上で、作業しやすい照度とする(4(1)ロ)
- 明るさの差:画面の明るさ、書類・キーボード面の明るさと周辺の明るさの差はなるべく小さくする
- グレア防止:窓にはブラインドやカーテン、照明は間接照明等のグレア防止用照明器具を用いる(4(1)ハ・ニ)
- 輝度比:解説では、近い視野内で1:3程度、広い視野内で1:10程度が推奨されているとしている
「300ルクス」は事務所則第10条の一般的な事務作業の照度(300ルクス以上)と同じ数字ですが、根拠は別です。事務所則は室の作業面の照度、ガイドラインはディスプレイ作業時の書類・キーボード上の照度です。事務室の照明全般は事務室の温熱・換気・照明で整理しています。
作業管理(作業時間・小休止・姿勢)
| 項目 | ガイドラインの内容 |
|---|---|
| 一連続作業時間 | 1時間を超えないようにする |
| 作業休止時間 | 次の連続作業までの間に10分〜15分 |
| 小休止 | 一連続作業時間内に1回〜2回程度。1分〜2分程度で、作業者が自由に取れるようにする |
| 視距離 | おおむね40cm以上。必要に応じて適切な眼鏡で矯正 |
| 画面の高さ | 画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下が望ましい |
| 文字の大きさ | 文字高さがおおむね3mm以上が望ましい |
| 姿勢 | 椅子に深く腰掛け背もたれに背を当て、足裏全体が床に接する。時折立位を交える |
ひっかけは「画面の上端を眼の高さより上にする」「一連続作業時間を2時間とする」「休止時間を5分とする」の形が典型です。
健康管理(健診項目)
健康診断は、新たに情報機器作業を行うことになった人の配置前健康診断と、配置後の1年以内ごとに1回の定期健康診断です(7(1))。どちらも一般健康診断とあわせて実施してかまいません。
- 業務歴の調査・既往歴の調査
- 自覚症状の有無の調査(眼疲労を主とする視器の症状、上肢・頸肩腕部・腰背部の筋骨格系の症状、ストレスに関する症状)
- 眼科学的検査(遠見視力・近見視力。配置前は屈折検査も)
- 定期健診では40歳以上の者に調節機能検査等(自覚症状に特に異常がなく、片眼視力で両眼とも0.5以上の者は省略可)
- 筋骨格系に関する検査(上肢の運動機能、圧痛点等)
健診の周期は、腰痛予防対策指針の腰痛健診(6月以内ごとに1回)と入れ替えられやすいので、「VDTは年1回、腰痛は半年に1回」とセットで覚えておきましょう。メンタル面はメンタルヘルス指針に基づいて対応するよう、ガイドラインにも書かれています。
本番形式の問題で確かめる
この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。
事務室の在室者1人当たりの二酸化炭素の呼出量を毎時0.02m³、室内の二酸化炭素の基準濃度を1000ppm、外気の二酸化炭素濃度を400ppmとするとき、在室者1人当たりの必要換気量に最も近いものは次のうちどれか。
「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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よくある質問
情報機器作業の一連続作業時間と休止時間は?
一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10分〜15分の作業休止時間を設け、かつ一連続作業時間内に1回〜2回程度の小休止を設けるよう指導する、とされています(ガイドライン5(1)ロ)。小休止は1分〜2分程度の作業休止です。
VDT作業の健康診断は何か月ごとですか?
配置前の健康診断と、配置後は1年以内ごとに1回の定期健康診断です(ガイドライン7(1))。一般定期健康診断とあわせて実施してかまいません。6か月ごとは腰痛予防対策指針の腰痛健診の周期なので、混同しないようにしてください。
健診の対象になるのは情報機器作業をする全員ですか?
作業区分によります。1日に4時間以上情報機器作業を行い、常時ディスプレイを注視する・休憩や姿勢変更が困難などの「拘束性がある」作業は全員が健診対象、それ以外は自覚症状を訴える者のみが健診対象です(ガイドライン別紙)。
このガイドラインは法律ですか?
法律や省令ではなく、厚生労働省労働基準局長の通達(基発0712第3号)で示されたガイドラインです。事務所衛生基準規則の照度(一般的な事務作業300ルクス以上)とは別の文書なので、出典を取り違えないようにしましょう。
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出典
数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。
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