事業場の常時使用する労働者数と、法令上選任しなければならない衛生管理者の最少人数との組合せとして、正しいものはどれか。
衛生管理者の選任後の研修:能力向上教育の内容と受け方
免許を取って衛生管理者に選任されたあと、「受けるべき研修はあるのか」を知りたい人と、教育計画を立てる人事・総務の担当者向けの記事です。結論から言うと、衛生管理者に法律上の必須研修はありませんが、労働安全衛生法第19条の2で事業者に能力向上教育の努力義務があり、厚生労働省の指針が初任時・定期・随時の教育内容と時間を示しています。
法律上の位置づけ:努力義務(安衛法第19条の2)
結論
根拠:労働安全衛生法第19条の2(事業者の努力義務)と「能力向上教育に関する指針」。衛生管理者の初任時教育は12時間(第二種7.5時間)、定期又は随時教育は13時間(第二種7時間)。実施者は事業者で、安全衛生団体等に委託でき、記録は個人別に保存します。
事業者は、事業場の安全衛生の水準の向上を図るため、安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者その他労働災害の防止のための業務に従事する者に対し、能力の向上を図るための教育、講習等を行い、又はこれらを受ける機会を与えるように努めなければなりません(労働安全衛生法第19条の2第1項)。厚生労働大臣はそのための指針を公表します(同条第2項)。「必ず受けないと衛生管理者でいられない」というものではありませんが、選任後の実務に直結する内容なので、計画的に受けておくと役立ちます。衛生管理者の全体像は衛生管理者とはも参照してください。
能力向上教育の指針の内容(初任時・定期・随時)
| 種類 | いつ・何を |
|---|---|
| 初任時教育 | 初めてその業務に従事することになった時。当該業務に関する全般的事項 |
| 定期教育 | 業務に従事することになった後、一定期間ごと。労働災害の動向、社会経済情勢、職場環境の変化等に対応した事項 |
| 随時教育 | 事業場で機械設備等に大幅な変更があった時。定期教育と同様の観点の事項 |
教育時間は原則として1日程度とされ、衛生管理者のカリキュラムは次のとおりです(括弧内は第二種)。
| 衛生管理者能力向上教育 | 主な科目 |
|---|---|
| 初任時:12時間(7.5時間) | 労働衛生管理の進め方(衛生管理者の役割、職場巡視、法定の届出・報告書の作成など)、作業環境管理、作業管理、健康管理(健診・面接指導・メンタルヘルス・救急処置)、労働衛生教育、災害事例及び関係法令 |
| 定期又は随時:13時間(7時間) | 労働衛生管理の機能と構造(中長期計画、規程、職場巡視計画)、作業環境管理、作業管理、健康管理、労働衛生教育、実務研究(規程・作業標準・計画の作成)、災害事例及び関係法令 |
方法は講義・事例研究・討議など、講師は最新の知識と教育技法の知識・経験を有する者とされています。事業者は実施した教育の記録を個人別に保存し、教育は原則として就業時間内に実施するものとされています。
実施団体の探し方
指針は、能力向上教育の実施者は事業者であり、事業者自らが行うほか、安全衛生団体等に委託して実施できるとしています。講座を探すときは「衛生管理者 能力向上教育」で、都道府県の労働基準協会や安全衛生団体の案内を調べ、指針のカリキュラム(科目と時間)に沿っているかを確認しましょう。特定の団体の評価はこの記事ではしません。日程や費用は各団体の案内で確認してください。
安全管理者の選任時研修との違い
| 項目 | 衛生管理者の能力向上教育 | 安全管理者の研修 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 選任後の教育。事業者の努力義務(法第19条の2) | 資格要件の一部。厚生労働大臣が定める研修の修了が必要(規則第5条第1号) |
| 受けないと | 選任はできる(免許等が資格) | 学歴・実務経験のルート(第5条第1号)では選任できない(労働安全コンサルタント等は別) |
「衛生管理者 選任時研修」で検索して迷う人が多いのは、この違いのためです。安全管理者は研修が選任の前提、衛生管理者は免許が前提で、研修は選任後の能力向上という整理になります。安全管理者との違い全体は安全管理者と衛生管理者の違いで整理しています。
本番形式の問題で確かめる
この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。
衛生管理者の選任に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
衛生管理者の資格と業種に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。
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よくある質問
衛生管理者に選任されたら、研修を受けないといけませんか?
衛生管理者の免許を受けた人について、選任の条件として研修の修了を求める規定はありません。労働安全衛生法第19条の2は、事業者が衛生管理者などに能力向上教育を行い、又は受ける機会を与えるよう「努めなければならない」と定めており、事業者の努力義務です。
第一種と第二種で能力向上教育の時間は違いますか?
指針のカリキュラムでは、第二種衛生管理者は有害業務に係るものを除き、時間は括弧内の時間とされています。初任時は第一種12時間に対し第二種7.5時間、定期又は随時は第一種13時間に対し第二種7時間です。
能力向上教育の費用は会社負担ですか?
指針は、実施者は事業者であり、原則として就業時間内に実施するものとしています。費用の負担について定めた一次資料は確認できませんでした。社内規程で決めるのが一般的で、扱いに迷う場合は社会保険労務士などの専門家に確認してください。
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出典
数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。
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