作業環境評価基準に基づく管理区分の決定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
局所排気装置の覚え方:フードの種類・ダクト・定期自主検査
第一種衛生管理者の試験では、局所排気装置のフードの型、ダクトの形、排風機の位置などの正誤問題が出ます。苦手な人が多いのは、装置を見たことがないまま文字だけで覚えようとするから。「空気がどこから入って、どこを通って、どこへ出るか」を一本の流れで追うと、正しい配置が自然に分かります。
局所排気、全体換気、プッシュプル換気の違い
結論
流れはフード → ダクト → 空気清浄装置 → 排風機(ファン) → 排気口。フードは囲い式が最も効果的、外付け式は発散源のできるだけ近くに。ダクトは短く、曲がりは少なく。排風機は清浄後の空気が通る位置。定期自主検査は1年以内ごとに1回、記録3年です。
職場のあんぜんサイトの資料では、換気の方法を局所排気・プッシュプル換気・全体換気の3つに分け、リスクが大きい場合は全体換気より局所排気またはプッシュプル換気を選ぶべきとしています([厚生労働省])。
- 局所排気:発散源の近くで吸い込む。周囲まで汚染される危険が少ないが、設備・運転コストが大きい
- プッシュプル換気:吹き出し気流と吸い込み気流で有害物質を運ぶ。局所排気より一般に低い風速で捕捉でき、塗装や溶接などに使われる
- 全体換気:作業場全体の空気を入れ替えて薄める。設備は簡単だが、周囲まで汚染される危険があり、排気の処理ができない
有機溶剤中毒予防規則では、第1種・第2種有機溶剤等の屋内作業場等には、発散源の密閉設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置のいずれかが必要で(第5条)、全体換気装置で足りるのはタンク等の内部での第3種有機溶剤等の業務(吹付けを除く)などに限られます(第6条)。
フードの種類と効果の順
- 囲い式:発散源を囲い、開口面に吸い込み気流をつくる。外乱気流の影響を受けにくく、小さい排風量でよい効果が得られる最も効果的なフード。カバー型、グローブボックス型、ドラフトチャンバ型などがある
- 外付け式:開口面の外にある発散源のまわりに吸い込み気流をつくる。まわりの空気も一緒に吸うので排風量を大きくする必要があり、囲い式より効率はよくない。吸い込みの向きで下方吸引型・側方吸引型・上方吸引型がある
- レシーバー式:熱による上昇気流などに乗って飛ぶ有害物質を、その気流の方向で受け止める。空気より重い有機溶剤の蒸気には効果が期待できない
囲い式が一番、外付け式はそれより劣る、と覚えます。有機則第14条でも、フードは発散源ごとに設け、外付け式は発散源にできるだけ近い位置に設けることとされています([e-Gov])。
ダクト・空気清浄装置・排風機・排気口の配置
- ダクト(第14条第2項):長さができるだけ短く、ベンド(曲がり)の数ができるだけ少ないもの
- 排風機(第15条):空気清浄装置があるときは、清浄後の空気が通る位置に設ける(爆発や腐食のおそれがないときを除く)。汚れた空気でファンを傷めないため、と理由で覚えます
- 排気口(第15条の2):直接外気に向かって開放する。空気清浄装置のない屋内の局所排気装置などの排気口は、屋根から1.5m以上の高さにする
「ダクトは太く長く」「排風機は空気清浄装置の前(汚れた空気側)に置く」という選択肢は、流れを思い浮かべれば誤りだと分かります。
制御風速と定期自主検査
有機則第16条は、局所排気装置がフードの型式ごとに決められた制御風速を出せる能力を持つことを求めています。制御風速は、すべてのフードを開放した状態で、囲い式はフードの開口面の最小風速、外付け式はフードの開口面から最も離れた作業位置の風速で考えます。
| フードの型式 | 制御風速(有機則第16条) |
|---|---|
| 囲い式フード | 0.4 m/s |
| 外付け式フード(側方吸引型) | 0.5 m/s |
| 外付け式フード(下方吸引型) | 0.5 m/s |
| 外付け式フード(上方吸引型) | 1.0 m/s |
定期自主検査は1年以内ごとに1回(有機則第20条、特化則第30条など)。フード・ダクト・ファンの摩耗や腐食、ダクトや排風機のじんあいのたい積、ベルトの作動状態、吸気・排気の能力などを点検し、記録を3年間保存します(有機則第21条)。1年を超えて使わない期間は不要ですが、使用を再開するときに検査します。
プッシュプル型換気装置
プッシュプル型換気装置は、厚生労働大臣が定める構造と性能を持つものでなければなりません(有機則第16条の2)。職場のあんぜんサイトの資料では、風速のばらつきを少なくすること、吹き出し気流と吸い込み気流のバランス、扉や窓から離れた場所に置いて一様な気流を乱さないことが大切とされています。作業者は一様な気流を体の側方から受けるようにして、体の後ろにできる流れ(後流)によるばく露を防ぎます。
測定で場の状態を確かめる方法は作業環境測定の覚え方、設備で防ぎきれないときの保護具は防毒マスク・防じんマスクの覚え方で解説しています。
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この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。
管理濃度及び作業環境測定の実施に関する次の記述のうち、法令等に照らし、誤っているものはどれか。
有機溶剤中毒予防規則に基づき、作業環境測定の評価の結果、第三管理区分に区分された場所での措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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よくある質問
局所排気と全体換気の違いは何ですか?
局所排気は、有害物質を発散源の近くでフードから吸い込み、作業場全体に広がる前に取り除く方法です。全体換気は、作業場全体の空気を入れ替えて濃度を薄める方法で、設備は簡単ですが周囲まで汚染される危険があります。有機則では、第1種・第2種有機溶剤等の屋内作業場等には、密閉設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置のいずれかが必要です(第5条)。
いちばん効果が高いフードはどれですか?
職場のあんぜんサイトの資料では、囲い式フードは外付け式と比べて外乱気流の影響を受けにくく、小さい排風量でよい効果が得られる、最も効果的なフードとされています。
局所排気装置の定期自主検査は何年ごとですか?
有機則第20条で1年以内ごとに1回です。記録は3年間保存します(第21条)。特化則の局所排気装置なども1年以内ごとに1回です(特化則第30条)。
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出典
数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。
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