体内時計と睡眠の調節に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
労働生理の脳・神経・感覚器の覚え方:大脳・小脳・耳と目のしくみ
脳・神経・感覚器は、労働生理の中でも「部位」と「働き」を1つずらすだけで選択肢が作れるので、正誤問題で狙われやすい範囲です。この記事では、厚生労働省の「試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月一部改訂)」の人体の解説と、国立がん研究センターのがん情報サービスの脳の解説をもとに、部位と働きの対応を整理します。
中枢神経と末梢神経、自律神経
結論
延髄=呼吸・心臓の中枢、小脳=平衡・姿勢・運動の調節、視床下部=体温・食欲・睡眠など。大脳は中心溝の前が運動野、後ろが感覚野、後頭葉は視覚。耳は蝸牛=聴覚、前庭(耳石器官・半規管)=平衡。目は近くを見るとき水晶体が厚くなり、色を見る細胞と暗いところで働く細胞がある、です。
| 区分 | 中身 |
|---|---|
| 中枢神経系 | 脳と脊髄。脊髄は脳と末梢の刺激を伝えるほか、脳を介さずに刺激を返す脊髄反射を行う |
| 末梢神経系(体性神経系) | 随意運動・知覚などを担う |
| 末梢神経系(自律神経系) | 消化管の運動や血液の循環など、無意識に働く機能を担う。交感神経系と副交感神経系 |
自律神経は、交感神経系が緊張状態(闘争・恐怖)に対応した態勢、副交感神経系が安息状態(食事・休憩)になるように働き、多くの器官を両方が支配して互いに拮抗します(二重支配)。交感神経系では心拍数増加・瞳孔散大・気管支拡張・腸の運動低下、副交感神経系ではその逆が起こります。交感神経の節後線維の末端から放出される伝達物質はノルアドレナリン、副交感神経ではアセチルコリンです。
大脳・小脳・脳幹の働き
脳は大脳・小脳・脳幹に分けられ、大脳はさらに前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉などからなります。がん情報サービスの解説に沿うと、部位と主な働きは次のとおりです。
| 部位 | 主な働き |
|---|---|
| 前頭葉 | 思考・感情・判断力・集中力、言語を発する役目、運動をつかさどる |
| 側頭葉 | 言語の理解、記憶、視覚や聴覚などの認知機能 |
| 頭頂葉 | 入力された情報を統合・分析する高次機能、顔・手足の感覚 |
| 後頭葉 | 視覚 |
| 視床下部 | 意識、体温、食欲、睡眠、体の水分量や塩分量の調節 |
| 脳幹 | 意識・呼吸・循環などを調節して生命を維持する |
| 小脳 | 平衡感覚をとる、姿勢を保持する、体の動きを調節する。運動学習に関わる |
前頭葉と頭頂葉の間の中心溝の前(中心前回)に運動野、後ろ(中心後回)に感覚野があります。延髄には心臓中枢・呼吸中枢があり、体温調節の中枢は視床下部にあります。小脳は、大脳と違って障害された側と同じ側に症状が出る、という特徴も紹介されています。
耳の構造(平衡感覚・聴覚)
- 外耳:耳介と、音を鼓膜まで伝える外耳道
- 中耳:鼓膜・鼓室・耳小骨・耳管。3つの耳小骨が鼓膜の振動を増幅して内耳へ伝える。耳管で鼻腔や咽頭と通じていて、耳抜きで鼓膜の内外の気圧の差を戻せる
- 内耳(蝸牛):聴覚の器官。内部はリンパ液で満たされ、振動が聴細胞の感覚毛を揺らして聴神経が刺激される
- 内耳(前庭):平衡の器官。水平・垂直方向の加速度を感じる耳石器官と、体の回転や傾きを感じる半規管
ひっかけは蝸牛と前庭(半規管)の役割の入れ替えです。「蝸牛=かたつむりの形の聴覚、前庭・半規管=バランス」と形と一緒に覚えましょう。騒音による難聴は、蝸牛の有毛細胞が傷つくことで起こると説明されています。
目の構造(調節・視細胞)
- 光の通り道:角膜→房水→水晶体→硝子体を通りながら屈折し、網膜に焦点を結ぶ
- 焦点調節:主に水晶体の厚みを変えて行う。毛様体の収縮・弛緩で、近くを見るときは丸く厚く、遠くを見るときは扁平に
- 光の量:水晶体の前の虹彩が瞳孔を散大・縮小させて調節する
- 視細胞:色を識別する細胞(錐体細胞。主に明所で色を感知)と、わずかな光にも反応する細胞(桿体細胞。暗所でも明暗を見分ける)。後者が光を感じる反応にはビタミンAが不可欠で、不足すると夜盲症
- 近視:眼に入った平行光線が網膜より手前で焦点を結ぶ状態
「近くを見るとき水晶体は薄くなる」「色を感じるのは桿体細胞」といった入れ替えに注意します。目を使う作業を続けると、焦点調節を行う毛様体の疲労が起こることも、手引きで触れられています。パソコン作業の目の負担と対策は情報機器作業ガイドラインで整理しています。
試験で出る入れ替え
- 呼吸中枢を小脳・大脳にする(正しくは延髄)
- 体温調節中枢を延髄にする(正しくは視床下部)
- 運動野と感覚野の位置を逆にする(運動野は中心溝の前=前頭葉側)
- 視覚を側頭葉にする(正しくは後頭葉)
- 蝸牛を平衡、半規管を聴覚にする(逆)
- 交感神経で心拍数が減る、腸の運動が亢進する(逆)
ホルモンと自律神経のつながりはホルモンの覚え方、労働生理全体は労働生理が苦手な人へで整理しています。
本番形式の問題で確かめる
この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。
神経・感覚器・睡眠に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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よくある質問
呼吸中枢はどこにありますか?
延髄です。脳は延髄で脊髄とつながっていて、延髄には心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢などがあります(厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」)。小脳や大脳と入れ替える選択肢に注意してください。
平衡感覚をつかさどるのは耳のどこですか?
内耳の前庭です。前庭は水平・垂直方向の加速度を感知する耳石器官と、体の回転や傾きを感知する半規管に分けられます。蝸牛は聴覚の器官です(同手引き)。脳では小脳が平衡感覚をとる・姿勢を保持する機能を持ちます(がん情報サービス)。
近くを見るとき、水晶体はどうなりますか?
水晶体の周りの毛様体の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときは水晶体が丸く厚みを増し、遠くの物を見るときは扁平になります(同手引き)。「近くを見るときは薄くなる」とする選択肢は誤りです。
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出典
数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。
- 安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者」
- 安全衛生技術試験協会「試験の日程」
- 安全衛生技術試験協会「試験手数料」
- 安全衛生技術試験協会「統計」
- 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月一部改訂)」第2章 人体の働きと医薬品(厚生労働省)
- がん情報サービス「脳腫瘍〈成人〉について」(ganjoho.jp)
- 「有毛細胞」(厚生労働省)
- 「こどもの近視予防対策」(厚生労働省)
- www.riken.jp
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