労働生理のホルモンの覚え方:分泌器官と働きを対応で整理

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ホルモンの問題は、「ホルモン名・分泌する器官・働き」の3つのうち1つだけを入れ替える形でよく作られます。名前を丸暗記するより、血糖・塩分と水・カルシウム・ストレス・睡眠のように「⁠何⁠を⁠調⁠節⁠す⁠る⁠か⁠」で束ねると、入れ替えに気づきやすくなります。この記事では、厚生労働省や公的機関の資料で確認できた範囲で対応表を作ります。

出題されるホルモン一覧(⁠分⁠泌⁠器⁠官⁠・⁠働⁠き⁠)

結論

血糖を下げるのはインスリン(⁠膵⁠臓⁠)だけ。副腎は皮質=アルドステロン(⁠塩⁠分⁠と⁠水⁠)、髄質=アドレナリン・ノルアドレナリン。副甲状腺=カルシウム、松果体=メラトニン。ストレスでは下垂体のACTH→副腎皮質の流れを押さえます。

ホルモン(⁠分⁠泌⁠器⁠官⁠)働き
インスリン(膵臓(ランゲルハンス島β細胞))血糖値を下げる(下げるのはインスリンだけ)
グルカゴン(⁠膵⁠臓⁠)必要なときにグリコーゲンをブドウ糖に分解する(⁠血⁠糖⁠を⁠上⁠げ⁠る⁠方⁠向⁠)
アルドステロン(⁠副⁠腎⁠皮⁠質⁠)体内に塩分と水を貯留し、カリウムの排泄を促す
副腎皮質ホルモン(グルココルチコイドなど)(⁠副⁠腎⁠皮⁠質⁠)ストレス時に、下垂体のACTHの刺激で分泌される
アドレナリン・ノルアドレナリン(⁠副⁠腎⁠髄⁠質⁠)自律神経系に作用。ノルアドレナリンは血圧上昇・心拍数増加に関わる
成長ホルモン・副腎皮質刺激ホルモン(⁠A⁠C⁠T⁠H⁠)など(下垂体(⁠前⁠葉⁠))全身の内分泌を調節する
抗利尿ホルモン(下垂体(⁠後⁠葉⁠))産生が障害されると尿が大量に出る(⁠尿⁠崩⁠症⁠)
甲状腺ホルモン(⁠甲⁠状⁠腺⁠)ヨウ素を取り込んで産生される。過剰で頻脈など、低下で倦怠感・むくみなど
副甲状腺ホルモン(⁠副⁠甲⁠状⁠腺⁠)血中カルシウム濃度が下がると分泌が増え、骨からカルシウムを溶かし出す
メラトニン(⁠松⁠果⁠体⁠)睡眠などの概日リズムの調節。夜間に多い
赤血球の産生を促進するホルモン(⁠腎⁠臓⁠)骨髄での赤血球の産生を促す

表は2列に絞っているので、まず左の「⁠名⁠前⁠と⁠器⁠官⁠」を声に出して対にし、次に右の働きを隠して言えるか確かめる、という使い方がおすすめです。

入れ替えられやすいペア

血糖・塩分・カルシウム・ストレスで束ねる

調節するもの関わるホルモン
血糖下げる:インスリン(⁠膵⁠臓⁠)/上げる方向:グルカゴン(⁠膵⁠臓⁠)など
塩分と水アルドステロン(⁠副⁠腎⁠皮⁠質⁠)が塩分と水を貯留。抗利尿ホルモン(⁠下⁠垂⁠体⁠後⁠葉⁠)の産生が障害されると尿が大量に出る
カルシウム副甲状腺ホルモン:血中カルシウムが下がると分泌が増え、骨からカルシウムを溶かし出す
ストレスまず交感神経系が緊張し、続いて下垂体からACTH、副腎皮質からグルココルチコイドなど。副腎髄質のアドレナリン・ノルアドレナリンも
睡眠・リズムメラトニン(⁠松⁠果⁠体⁠)。夜間に高く、強い光で分泌が下がる

ストレス時の反応は、国立精神・神経医療研究センターの資料で、まず交感神経系の緊張が起こり、その後に下垂体−副腎皮質系が活性化されると説明されています。交感神経の節後線維の末端から出る伝達物質がノルアドレナリンであることも、自律神経の問題とあわせて問われます(脳・神経・感覚器の覚え方)。

労働生理の中での位置づけ

ホルモンは労働生理の中では「⁠内⁠分⁠泌⁠」として、代謝・腎臓・睡眠と同じまとまりで出題されます。労働生理全体の覚え方と足切りの考え方は労働生理が苦手な人へで整理しています。このページの表は試験に出やすいものに絞っていて、ガストリン・セクレチンなどの消化管ホルモンや、ここで挙げていない作用は扱っていません。教材で学ぶときは出⁠典を確かめてください。

出⁠典:公益財団法人安全衛生技術試験協会「第⁠一⁠種⁠・⁠第⁠二⁠種衛生管理者」「⁠試⁠験⁠の⁠日⁠程⁠」「⁠試⁠験⁠手⁠数⁠料⁠」「⁠統⁠計⁠」(2⁠0⁠2⁠6⁠年10月2⁠3⁠日確認)。試験の最新情報は同協会の公式サイトで確認してください。 健康づくりサポートネット(⁠厚⁠生⁠労⁠働⁠省⁠)健康用語辞典「⁠イ⁠ン⁠ス⁠リ⁠ン⁠」[厚生労働省]・「⁠血⁠糖⁠値⁠」[厚生労働省]・「⁠メ⁠ラ⁠ト⁠ニ⁠ン⁠」[厚生労働省]・「⁠ノ⁠ル⁠ア⁠ド⁠レ⁠ナ⁠リ⁠ン⁠」[厚生労働省]、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(⁠令⁠和⁠8⁠年⁠4⁠月⁠一⁠部⁠改⁠訂⁠)」第2章 [厚生労働省]、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(⁠2⁠0⁠1⁠0⁠年⁠版⁠)」カルシウム [厚生労働省]、国立がん研究センター がん情報サービス「⁠脳⁠腫⁠瘍⁠〈⁠成⁠人⁠〉⁠」[出典]、国立精神・神経医療研究センター資料 [出典](いずれも2⁠0⁠2⁠6⁠年10月2⁠3⁠日確認)。

本番形式の問題で確かめる

この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。

第1問 / 3労働生理

エネルギー代謝と体格に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

第2問 / 3労働生理

消化酵素に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

第3問 / 3労働生理

消化管と栄養素の吸収に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

関連する分野を練習する

よくある質問

血糖値を下げるホルモンは何ですか?

膵臓のランゲルハンス島(⁠膵⁠島⁠)のβ細胞から分泌されるインスリンです。健康づくりサポートネット(⁠厚⁠生⁠労⁠働⁠省⁠)の健康用語辞典は「血糖値を下げる働きをするホルモンはインスリンだけ」と説明しています。血糖を上げる方向に働くホルモンは複数あります。

アドレナリンは副腎皮質ですか、副腎髄質ですか?

副腎髄質です。副腎は皮質と髄質の2層構造で、副腎皮質ではアルドステロンなどの副腎皮質ホルモン(⁠ス⁠テ⁠ロ⁠イ⁠ド⁠ホ⁠ル⁠モ⁠ン⁠)、副腎髄質ではアドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌されます(厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」)。

メラトニンはどこから分泌されますか?

大部分が脳内の松果体で産生されます。睡眠や体温などの概日リズムの調節に関わり、血中濃度は昼間に低く夜間に高いという日内変動を示します(健康づくりサポートネット「⁠メ⁠ラ⁠ト⁠ニ⁠ン⁠」)。

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出典

数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。

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