じん肺の覚え方:じん肺法の管理区分・健康診断と粉じん則

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第⁠一⁠種衛生管理者の試験では、じん肺は「労働衛生(⁠有⁠害⁠業⁠務⁠)」と「関係法令(⁠有⁠害⁠業⁠務⁠)」の両方に出ます。じん肺法と粉じん障害防止規則(⁠粉⁠じ⁠ん⁠則⁠)は数字や区分が多く、ごっちゃになりがちです。じん肺法=人(⁠健⁠診⁠と⁠管⁠理⁠区⁠分⁠)、粉じん則=場所(⁠設⁠備⁠・⁠測⁠定⁠・⁠清⁠掃⁠)と担当を分けると整理できます。

じん肺とは:病態と原因の粉じん

結論

じん肺法は管理1〜管理4の区分と、健診の3⁠年・1⁠年(⁠管⁠理⁠2⁠・⁠3⁠は⁠毎⁠年⁠)、記録は7⁠年。粉じん則は特定粉じん作業の発生源対策と、6⁠か⁠月ごとの測定・記録7⁠年。「⁠7⁠年⁠」は両方に出てくる数字です。

じん肺法第⁠2⁠条で、じん肺は「粉じんを吸入することによつて肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病」と定義されています([e-Gov])。ポイントは線維増殖性変化、つまり肺が硬くなる変化が中心だということです。

原因になるのは、土石・岩石・鉱物・金属・炭素などの粉じんです。労働安全衛生法施行令第⁠2⁠1⁠条⁠第⁠1⁠号でも、これらの粉じんを著しく発散する屋内作業場は作業環境測定の対象とされています。

じん肺管理区分と就業上の措置

じん肺健康診断の結果、エックス線写真の像(⁠第⁠1⁠型⁠〜⁠第⁠4⁠型⁠)と肺機能の障害の有無から、管理1〜管理4に区分します(⁠じ⁠ん⁠肺⁠法⁠第⁠⁠⁠4⁠⁠⁠条⁠)。所見がなければ管理1で、それ以外は地方じん肺診査医の診断・審査により都道府県労働局長が決定します(⁠第⁠⁠⁠1⁠⁠⁠3⁠⁠⁠条⁠)。

区分健診の結果と主な措置
管理1じん肺の所見がない措置:—
管理2エックス線写真の像が第1型で、著しい肺機能の障害がない措置:ばく露を減らす措置(努力義務。第⁠2⁠0⁠条⁠の⁠3)
管理3イ第2型で、著しい肺機能の障害がない措置:ばく露を減らす措置(⁠努⁠力⁠義⁠務⁠)。局長が作業転換を勧奨できる(⁠第⁠⁠⁠2⁠⁠⁠1⁠⁠⁠条⁠)
管理3ロ第3型または第4型(大陰影が一側の肺野の3⁠分の1以下)で、著しい肺機能の障害がない措置:粉じん作業以外への作業転換(⁠努⁠力⁠義⁠務⁠)。局長の指示もありうる
管理4大陰影が一側の肺野の3⁠分の1を超える、または著しい肺機能の障害がある措置:療養(⁠第⁠⁠⁠2⁠⁠⁠3⁠⁠⁠条⁠)

区分が上がるほど措置が強くなる、と流れで覚えます。管理2・3イは「⁠ば⁠く⁠露⁠を⁠減⁠ら⁠す⁠」、管理3ロは「⁠作⁠業⁠を⁠変⁠え⁠る⁠」、管理4は「⁠療⁠養⁠」です。

じん肺健康診断の時期

健診の方法は、粉じん作業の職歴調査とエックス線写真による検査が基本で、所見がある人には胸部の臨床検査・肺機能検査などを行います(⁠第⁠⁠⁠3⁠⁠⁠条⁠)。記録とエックス線写真は7⁠年間保存です(⁠第⁠⁠⁠1⁠⁠⁠7⁠⁠⁠条⁠)。

粉じん障害防止規則:特定粉じん作業と設備

粉じん則では、別表第1の作業を「⁠粉⁠じ⁠ん⁠作⁠業⁠」、そのうち粉じんの発生源が別表第2の「⁠特⁠定⁠粉⁠じ⁠ん⁠発⁠生⁠源⁠」であるものを特定粉じん作業と呼びます(第⁠2⁠条。[e-Gov])。特定粉じん発生源には、発生源の種類に応じて次のいずれかの措置(⁠ま⁠た⁠は⁠同⁠等⁠以⁠上⁠の⁠措⁠置⁠)が必要です(⁠第⁠⁠⁠4⁠⁠⁠条⁠)。

このほか、特定粉じん作業を行う屋内作業場では6月以内ごとに1回粉じんの濃度を測定し、記録を7⁠年間保存します(⁠第⁠⁠⁠2⁠⁠⁠6⁠⁠⁠条⁠)。屋内の作業場所は毎日1回以上清掃し、床などは1月以内ごとに1回、真空掃除機や水洗など粉じんが飛ばない方法で清掃します(⁠第⁠⁠⁠2⁠⁠⁠4⁠⁠⁠条⁠)。休憩設備は粉じん作業の作業場以外の場所に設けます(⁠第⁠⁠⁠2⁠⁠⁠3⁠⁠⁠条⁠)。

作業環境測定の全体像は作業環境測定の覚え方、局所排気装置は局所排気装置の覚え方で解説しています。

合併症の扱い

じん肺の合併症は、じん肺法施行規則第⁠1⁠条で次の6つです。対象は管理2または管理3の人のじん肺と合併したものに限られます([e-Gov])。

「結核2つ・続発性3つ・肺がん1つ」と数で覚えると、選択肢に入っていない病名(⁠た⁠と⁠え⁠ば⁠「⁠⁠⁠肺⁠⁠⁠気⁠⁠⁠腫⁠⁠⁠」⁠)を見たときに外せます。合併症にかかっていると認められた人は、管理4と同じく療養が必要です(じん肺法第⁠2⁠3⁠条)。法令の数字の全体は有害業務の関係法令の覚え方も参考にしてください。

出⁠典:e-Gov法令検索の現行条文(じん肺法 [e-Gov]、じん肺法施行規則 [e-Gov]、粉じん障害防止規則 [e-Gov])。2⁠0⁠2⁠6⁠年10月2⁠3⁠日確認。

本番形式の問題で確かめる

この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。

第1問 / 3労働衛生(有害業務)

鉛及びベンゼンによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

第2問 / 3関係法令(有害業務)

酸素欠乏危険作業における措置に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。

第3問 / 3労働衛生(有害業務)

業務とそれにより生じる疾病として労働基準法施行規則別表第1の2に掲げられているものに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

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よくある質問

じん肺健康診断は何年ごとですか?

じん肺法第⁠8⁠条で、常時粉じん作業に従事する労働者は3⁠年以内ごとに1回、そのうち管理2・管理3の人は1⁠年以内ごとに1回です。過去に粉じん作業をしていて今は別の作業をしている人は、管理2なら3⁠年以内、管理3なら1⁠年以内ごとに1回です。

じん肺の合併症はいくつありますか?

じん肺法施行規則第⁠1⁠条で6つです。肺結核、結核性胸膜炎、続発性気管支炎、続発性気管支拡張症、続発性気胸、原発性肺がん。いずれも管理2または管理3の人のじん肺と合併したものが対象です。

じん肺健康診断の記録は何年保存ですか?

じん肺法第⁠1⁠7⁠条で、じん肺健康診断の記録とエックス線写真を7⁠年間保存します。粉じん則の粉じん濃度の測定記録も7⁠年間です(第⁠2⁠6⁠条⁠第⁠8⁠項)。

管理4になったらどうなりますか?

じん肺法第⁠2⁠3⁠条で、管理4と決定された人と、合併症にかかっていると認められた人は療養を要するとされています。

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出典

数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。

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