衛生管理者の選任に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
第一種衛生管理者の次に取る資格:衛生工学衛生管理者・労働衛生コンサルタント・作業環境測定士
第一種衛生管理者を取ったあと、上位・関連の資格に何があり、どう違うのかを知りたい人向けの記事です。結論から言うと、候補は衛生工学衛生管理者(講習で取る・大規模な有害業務の事業場で必要)、労働衛生コンサルタント(国家試験・外部から診断指導を行える)、作業環境測定士(国家試験・第一種保持者は条件付きで科目免除)の3つです。
衛生工学衛生管理者:選任が要る事業場と取り方
結論
衛生工学衛生管理者=工学・理学系の卒業者が講習で取る免許。常時500人超で一定の有害業務に常時30人以上の事業場で1人必要。労働衛生コンサルタント=筆記・口述の国家試験。衛生管理者として10年以上なども受験資格。作業環境測定士=第一種+5年以上の実務+免除講習で2科目免除。
常時500人を超える労働者を使用する事業場で、坑内労働や労働基準法施行規則第18条の一定の有害業務に常時30人以上を従事させるものは、衛生管理者のうち1人を衛生工学衛生管理者免許を受けた者から選任します(労働安全衛生規則第7条第1項第6号)。この衛生管理者には、衛生に係る技術的事項のうち衛生工学に関するものを管理させます(同規則第12条)。
取り方は試験ではなく講習です。労働安全衛生規則別表第4では、大学又は高専で工学又は理学に関する課程を修めて卒業した者などで、都道府県労働局長の登録を受けた者が行う衛生工学衛生管理者講習を修了したもの等が免許を受けられるとされています。文系出身の第一種保持者は、このルートの対象外になる点に注意してください。
労働衛生コンサルタント:試験と衛生管理者との違い
労働衛生コンサルタントは、その名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、事業場の衛生についての診断と指導を行うことを業とする資格です(労働安全衛生法第81条第2項)。試験は厚生労働大臣が行い(同法第83条)、区分は保健衛生と労働衛生工学、それぞれ筆記試験と口述試験があります。合格後、名簿に登録を受けてコンサルタントになります(同法第84条)。
| 主な受験資格(安全衛生技術試験協会) |
|---|
| 理科系の大学(短大を除く)を卒業後、5年以上衛生の実務に従事 |
| 理科系の短大・高専を卒業後、7年以上衛生の実務に従事 |
| 衛生管理者として10年以上その職務に従事 |
衛生管理者として数える場合、同協会は「常時50人以上の事業場で衛生管理者として選任されていない者」「常時50人未満の事業場で選任された者」は受験資格がないとしています。免許を持っているだけでは年数に数えられないので、選任の記録を残しておきましょう(選任報告の書き方)。なお労働衛生コンサルタントは、衛生管理者の資格を有する者でもあります(労働安全衛生規則第10条第3号)。
作業環境測定士:第一種保持者の科目免除講習
鉱物性粉じん、放射性物質、特定化学物質、金属類、有機溶剤を取り扱う作業場の作業環境測定は、作業環境測定士でなければ行うことができません(同協会の資格紹介)。試験の共通科目は労働衛生一般・労働衛生関係法令・デザイン・サンプリング・分析に関する概論です。
| 免除を受けられる人 | 免除される共通科目 |
|---|---|
| 第一種衛生管理者免許+5年以上の労働衛生の実務+試験免除講習の修了 | 労働衛生一般、労働衛生関係法令 |
| 衛生工学衛生管理者免許+3年以上の労働衛生の実務+試験免除講習の修了 | 労働衛生一般、労働衛生関係法令 |
免除には免許証の写し・講習修了証の写し・労働衛生実務経験証明書の3点がすべて必要とされています。第一種の勉強で身につけた有害業務の法令・労働衛生の知識が、そのまま土台になります(有害業務の関係法令の覚え方)。
それぞれが向く人
- 衛生工学衛生管理者:工学・理学系の出身で、大規模な製造業など有害業務の多い事業場で働く人。会社が選任要件を満たす必要がある場合に求められやすい
- 労働衛生コンサルタント:衛生管理者として長く選任されてきた人、社外から事業場の衛生を診断・指導する立場を目指す人
- 作業環境測定士:有機溶剤・特定化学物質・粉じんなどを扱う事業場で、測定の計画や評価に関わりたい人
向き不向きは一般論です。キャリアや収入への効果を示す一次資料はないため、勤務先の体制や求められている役割から選んでください。第一種を取るメリット全体は衛生管理者を取るメリットで整理しています。
本番形式の問題で確かめる
この記事の範囲から、本番と同じ五肢択一を3問。選ぶと正誤と解説が出ます(学習の記録には残りません)。
事務室の在室者1人当たりの二酸化炭素の呼出量を毎時0.02m³、室内の二酸化炭素の基準濃度を1000ppm、外気の二酸化炭素濃度を400ppmとするとき、在室者1人当たりの必要換気量に最も近いものは次のうちどれか。
じん肺に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
関連する分野を練習する
よくある質問
衛生工学衛生管理者は試験で取れますか?
衛生工学衛生管理者免許は、大学又は高専で工学又は理学に関する課程を修めて卒業した者などが、都道府県労働局長の登録を受けた者が行う衛生工学衛生管理者講習を修了して受けるものです(労働安全衛生規則別表第4)。第一種・第二種のような免許試験のルートは別表第4に定められていません。
第一種衛生管理者があれば作業環境測定士の試験科目が免除されますか?
安全衛生技術試験協会によると、第一種衛生管理者免許を受けた者で、5年以上労働衛生の実務に従事した経験を有し、厚生労働大臣の登録を受けた団体が行う試験免除講習を修了したものは、共通科目のうち「労働衛生一般」と「労働衛生関係法令」が免除されます。免許だけでは免除されません。
衛生管理者を何年やれば労働衛生コンサルタントを受けられますか?
受験資格の一つに「衛生管理者として10年以上その職務に従事した者」があります。ただし同協会は、免許を受けていても常時50人以上の事業場で衛生管理者として選任されていない者などは、この受験資格に当たらないとしています。
関連する記事
出典
数値・条文は次の一次資料で確認しています(確認日は本文の注記のとおり)。
- 労働安全衛生法(e-Gov法令検索)
- 労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)
- 「労働衛生コンサルタント」(安全衛生技術試験協会)
- 「第一種作業環境測定士」(安全衛生技術試験協会)
- 「第二種作業環境測定士」(安全衛生技術試験協会)
このサイトは公益財団法人安全衛生技術試験協会とは関係のない学習用サービスです。法令の解釈や会社での運用は、所轄の労働基準監督署や専門家(社会保険労務士など)に確認してください。編集方針